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初夏の北海道②アイヌ音楽を楽しむ音楽会

投稿日:2026年07月04日 10:30

 今週は初夏の北海道を舞台にしたスペシャル企画の第2弾。いずれも北海道出身の音楽家であるヴァイオリンの成田達輝さん、山根一仁さん、トランペットの児玉隼人さんとともに、北海道の白老町にある「ウポポイ」を訪れました。
「ウポポイ」はアイヌの歴史・文化を学び伝えるナショナルセンター。長い歴史と自然のなかで培われてきた
アイヌ文化をさまざまな角度から伝承・共有するとともに、人々が互いに尊重し共生する社会のシンボルとしての役割を担う空間です。
「ウポポイ」とは、アイヌの言葉で「大勢で歌うこと」を意味するのだそうです。ウポポイ伝承課のチャッケさんが、いろいろな伝統楽器や歌、踊りを紹介してくれました。
 アイヌの伝統楽器ムックリは口琴の一種。セタレさんの即興演奏がすばらしかったですよね。小さな弁が振動する音を口で共鳴させるという説明がありましたが、シンプルな作りにもかかわらず、想像以上に表現力が豊かでびっくりしました。低音のパルスなど、かなり不思議な音が出てきます。チャッケさんが「シンセサイザーみたいな」と形容していましたが、まさしく! 児玉さんが「トランペットと口の使い方が似ている」と指摘していたのが、おもしろいと思いました。
 「杵つき歌 イウタ ウポポ」は、輪唱のような音の重ね合わせから、生き生きとした表情の音楽が生み出されます。成田さん、山根さん、児玉さんの3人がとても楽しそうにチャレンジしてくれました。
 ウポポイのみなさんによる「伝統の踊り イヨマンテ リㇺセ」では、独特の発声法ホロㇽセを用いた力強い響きに圧倒されました。まるで鳥の鳴き声のよう。
 「座り歌 ウポポ」は、シントコと呼ばれる漆器の蓋を叩きながら歌われ、ここにも輪唱の要素がありました。成田さん、山根さん、児玉さん、石丸さんも加わった即興のコラボが実現。これは熱かったですね。終わった後のみなさんの達成感にあふれた表情が印象的でした。

飯尾洋一(音楽ジャーナリスト)

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