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吹奏楽で聴く山下達郎の音楽会

投稿日:2017年08月27日 09:30

山下達郎と吹奏楽。ずいぶん意外な組合せだと思いませんでしたか。今週は「吹奏楽で聴く山下達郎の音楽会」。名門吹奏楽部3校の高校生たちが、山下達郎さんの名曲を演奏してくれました。山下さんと音楽の出会いが吹奏楽にあったとは驚きです。「ブラバンは今でも心の故郷」と言ってくれるのが、うれしかったですよね。
 今回の吹奏楽アレンジは、最近リリースされたCD「TATSURO YAMASHITA on BRASS ~山下達郎作品集 ブラスアレンジ~」にも収められています。スコアとパート譜もリリースされていますので、これをきっかけに吹奏楽の世界でも山下さんの名曲が広まるかもしれません。「今の若者に山下達郎の名曲はどれくらい知られているのだろうか」と気になっていたのですが、想像以上に高校生たちはよく知っているようです。
 「クリスマス・イブ」を演奏したのは東海大学付属高輪台高等学校吹奏楽部。柔らかくまろやかなサウンドが印象的でした。「クリスマス・イブ」といえば、ある世代以上の方は、「クリスマス・エクスプレス」のテレビCMを思い出さずにはいられないでしょう。この曲を耳にすると、青春期の思い出がよみがえるという方も少なくないのでは。
 「硝子の少年」の演奏は柏市立柏高等学校吹奏楽部。演奏中のパフォーマンスによって、舞台がぐっと明るく華やかになりました。まさかこんなにも凝ったパフォーマンスを披露してくれるとは。
 「パレード」を演奏したのは浜松聖星高等学校吹奏楽部。こちらもパフォーマンスが加わって、音楽が一段と精彩を放っていました。みなさん、楽しそうに演奏しているのがよかったですよね。
 3校合同演奏による「アトムの子」でのはじけっぷりは眩しいかぎり。思わず頬が緩みました。

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4人のスターピアニストを知る休日

投稿日:2017年08月20日 09:30

今週は「4人のスターピアニストを知る休日」。假屋崎省吾さんが4人のピアニストを紹介してくれました。假屋崎さんといえばクラシック音楽通。ご自身もピアノを演奏されますし、都内のピアノ・リサイタルの客席で假屋崎さんの姿をお見かけすることもしばしば。コメントの端々からピアノ愛が伝わってきましたよね。
 ラン・ランが演奏したのはファリャの「火祭の踊り」。この曲は往年の大ピアニスト、アルトゥール・ルービンシュタインの十八番として知られるアンコール・ピースです。現代のピアニストであれば、ラン・ランほどこの曲が似合う人もいないのではないでしょうか。一瞬にして聴く人を虜にしてしまう華やかさはこの人ならでは。
 ユンディ・リが演奏したのは得意のショパンで、スケルツォ第2番。2000年のショパン・コンクールでの15年ぶりに誕生した第1位とあって、やはりユンディといえばショパンという印象があります。そういえばユンディ以降、ショパン・コンクールは毎回第1位が出るようになりました。「1位なし」のコンクールって、終わった後にやるせなさが残るんですよね……。それだけにユンディの1位は意義深いものでした。
 ファジル・サイはトルコ出身のピアニストです。1997年に録音された彼のデビュー・アルバムを覚えている方はいらっしゃるでしょうか。そのモーツァルト・アルバムには「トルコ行進曲」付きのソナタが収められていました。これはよくわかります。本場ヨーロッパの聴衆に若くて才能のあるトルコ人ピアニストをアピールするために、話題作りから「トルコ行進曲」を弾かせよう、という狙いだったのでしょう。後に自らのアレンジによるジャズ版「トルコ行進曲」でさらなる評判を呼ぶことになったわけですから、おもしろいものです。
 辻井伸行さんの「悲愴」第2楽章も聴きごたえがありました。格調高いベートーヴェンだったと思います。

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世界のトップヴァイオリニストの音楽会

投稿日:2017年08月13日 09:30

今回は世界的なヴァイオリニスト3人の演奏をじっくりとお聴きいただきました。ワディム・レーピン、ネマニャ・ラドゥロヴィチ、マキシム・ヴェンゲーロフ、三者三様の個性が感じられたのではないかと思います。
 ワディム・レーピンは幼い頃より神童として騒がれ、現在は40代を迎えて大家への道を歩んでいます。ソ連出身の天才らしく、磨き抜かれた完璧なテクニックと輝かしい美音で名声を築きあげたレーピンですが、近年はその表現に円熟味を増しつつあるようです。ラヴェルの「ツィガーヌ」は得意の曲。技巧と情熱が一体となった見事な演奏を聴かせてくれました。
 ネマニャ・ラドゥロヴィチは若い世代を代表する注目のヴァイオリニスト。風貌にインパクトがあって、舞台上から客席までスターのオーラが伝わってきます。個性的な外見からは意外かもしれませんが、取り組むレパートリーは本格派で、テクニックも鮮やか。活発な曲を演奏したときのノリのよさも魅力なのですが、「わが母の教えたまいし歌」での情感豊かな演奏も大いに聴きごたえがありました。これからの時代を築いてゆく奏者のひとりだと思います。
 マキシム・ヴェンゲーロフもレーピンと同じく最高峰のヴァイオリニストといえるでしょう。演奏家としての出自もレーピンと共通点が多いんですよね。ともにソ連が生んだ天才で、シベリア出身、名教師ザハール・ブロンに師事して、若くしてトップレベルの奏者として活躍してきました。ヴェンゲーロフはレーピンより3つ年下ですから、世代も同じです。どんな難曲も軽々と弾いて、流麗でのびやかな音楽があふれ出てくるのがヴェンゲーロフ。「タイスの瞑想曲」の抒情性と幻想味が存分に伝わってきたのではないでしょうか。
 ロシアのレーピンとヴェンゲーロフ、セルビアのネマニャと、3人とも東欧出身なのは偶然です。でも、この地域は本当にたくさんの名手を輩出していますよね。

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ソドレミの秘密を知る休日

投稿日:2017年08月06日 09:30

本日は「ソドレミの秘密を知る休日」。こんなにも「ソドレミ」を使った名曲がたくさんあったとは! みなさん、ご存知でしたか。
 長調だと「水上の音楽」「シンコペーテッド・クロック」「大学祝典序曲」、短調だと「ツィゴイネルワイゼン」、ショスタコーヴィチの交響曲第5番、「モルダウ」等々。特に短調の「ソドレミ」は、なんだかぐっと来ますよね。童謡やポップスも含めてたくさんの例がありました。
 どうして、こんなに名曲に「ソドレミ」が多いのか。反田恭平さんと鈴木優人さんがその理由を考えてくれました。おふたりの着眼点がそれぞれ少しずつ違っていたのがおもしろかったですね。
 反田恭平さんはソからミへの6度の音程に注目していました。ソからミへと一気に6度をジャンプするのに比べて、途中でドとレの階段を挟むことで、よりドラマティックになる、というお話でした。始点と終点だけを見せるのではなく、途中の経路まで見せるから、より上へ向かって飛翔していく感じが伝わる、ということでしょうか。
 一方、鈴木優人さんは「ドレミ」という音階の前に「ソ」が加わっているという視点から、チャルメラの例を聴かせてくれました。チャルメラのメロディの前に「ソ」を付けて「ソドレミ」化すると、一気に曲に勢いが出ます。これには目からウロコが落ちました。平坦なメロディがたちまちエモーショナルなメロディに早変わり。最初の4度の跳躍で勢いを付けてから、さっそうとドレミの音階へと滑り込んでいくイメージでしょうか。
 おふたりの「ソドレミ」名曲の演奏も聴きごたえがありました。反田さんのベートーヴェン「悲愴」は気迫がこもっていて、まるでコンサートホールで演奏しているかのよう。鈴木さんのバッハのパルティータ第2番は荘厳にして華麗。この曲、後半のフーガが最高にカッコいいんですよね。つい「ソドレミ」を忘れて、聴きほれてしまいました。

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