今週は年に一度のスペシャル企画「夢響」前編の模様をお届けしました。オーディションを通過した参加者たちが、ついに田中祐子さん指揮東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団との共演を果たしました。
最初に登場したのは小学4年生の遠藤陽太さん。将来の夢は世界一のヴァイオリニストです。学校がある日でも毎日4時間の練習をしていると言います。バッハのヴァイオリン協奏曲第1番の第3楽章を、生き生きと演奏してくれました。音楽に躍動感が感じられましたね。
2番手はピアノの髙田道子さん。音大を卒業したものの、アメリカのウォール街で金融トレーダーに転身。バブル崩壊で失業し、夫の病気や親の介護を経て、72歳のときにおよそ30年ぶりにピアノを再開しました。曲はモーツァルトのピアノ協奏曲第23番の第1楽章。モーツァルトならではの豊かな陰影と繊細なニュアンスが伝わってきました。
3番手はオーボエの加茂宏治さん。なんと、加茂さんはボディビルダーです。オーボエもボディビルも日々のストイックな練習が欠かせないと言います。大島ミチル作曲の「風笛」で、オーケストラと共演を果たしました。応援団には師匠である読響の首席オーボエ奏者の金子亜未さんの姿も。ピアノパートの演奏は小林愛実さん。超強力なサポートが実現しました。愁いを帯びた甘美な音色がすばらしかったです。
4番手は小学6年生の広瀬冬悟さん。ピアノを弾くだけではなく、作曲にも取り組んでいるところがすばらしいですね。多摩市子ども被爆地派遣員として広島を訪れた印象をもとに作った曲が「HIROSHIMA〜生きて伝える平和〜」。自作を弾いてオーケストラと共演するというのは、まさに音楽家の夢でしょう。ピアノとオーケストラが一体となった、高揚感あふれる演奏だったと思います。
来週の後編ではさらに4人の参加者がオーケストラと共演する夢をかなえます。
飯尾洋一(音楽ジャーナリスト)

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