大きなサイズの低音楽器は、男性が演奏するものと思われがちです。ところが最近では低音楽器を演奏する女性奏者が珍しくありません。今回はそんな低音楽器の女性奏者たちに集まってもらい、楽器の魅力や特徴、低音楽器ならではの苦労について語っていただきました。
通常、ソロでもアンサンブルでも目立つのは高音楽器です。弦楽器ならヴァイオリン、木管楽器ならフルート、金管楽器ならトランペット。オペラでも主役はテノールかソプラノ。それなのに「目立ちたいから」という理由でコントラバスを選んだのがYu-Kaさん。ヴァイオリン奏者は大勢いるから、あえてコントラバスを選ぶという逆転の発想です。コントラバスは地味な楽器という先入観を覆して、華やかな演奏を披露してくれました。ボッテジーニの「夢遊病の女」による幻想曲での鋭く機敏な演奏にはびっくり。コントラバスって、ソロ楽器としても魅力的だったんですね。
ふだん、ソロ楽器として聴くチャンスがないのはテューバも同じ。テューバの福本恵子さんはユーフォニアムの新井秀昇さんといっしょに「グリーンスリーブス」を演奏してくれました。低音楽器だからゴツい雰囲気になるのかと思いきや、マイルドで暖かみのある音色がノスタルジックな曲想とマッチしていて、新鮮な感動がありました。
サクソフォンのなかで低音部を担うのはバリトンサックス。高尾あゆさんのお話にあったように、メロディと伴奏のどちらでも活躍できるという強みを持っています。豊かで深い響きが魅力的です。
ファゴットも低音楽器でありながら、意外とソロの活躍も多い楽器と言えるでしょう。低音を生かしてユーモラスな味わいを出すこともできれば、愁いを帯びたメロディを奏でることもできます。福士マリ子さんが演奏してくれたのは、父親であり高名な作曲家である福士則夫作曲の「竜夢」。ファゴット一本だけでこれだけ多彩な表現が可能なんですね。
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低音楽器女子の休日
投稿日:2019年11月16日 10:30
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