今週はヴァイオリニストの高嶋ちさ子さんとスーパーチェロ7のみなさんにご登場いただきました。独奏ヴァイオリンとチェロ・アンサンブルという組合せは珍しいですよね。
高嶋さんがチェロを「万能楽器」を呼んでいたように、チェロは一人で何役もできてしまう楽器です。あるときはソリストとして主役になり、あるときは低音楽器として縁の下の力持ちにもなれます。幅広い音域を生かして朗々とメロディを歌い上げるのもチェロの魅力なら、オーケストラでコントラバスとともにブン!と唸るような重低音を聴かせるのもチェロの魅力。
チェロ・アンサンブルという演奏形態が成立するのも、万能楽器だからこそ。普通は同じ楽器のみでアンサンブルを組むことはめったにありませんが、チェロであれば無理なく同種楽器で役割分担ができてしまいます。「ベルリン・フィルの12人のチェリストたち」のようにチェロだけで多彩な音楽を演奏する人気アンサンブルも存在します。
スーパーチェロ7は、東京都交響楽団首席チェロ奏者古川展生さんを中心に、日本のトップレベルで活躍するチェロ奏者たちによるアンサンブルです。名手ぞろいとあって、超絶技巧もお手のもの。小林幸太郎さんがワンボウ・スタッカートを披露してくれましたが、実に鮮やかでした。あまりに軽々と弾いてしまうので、なにが難しいのかわからないほど。でも音楽のテクニックとは本来そうあるべきですよね。江口心一さんはリムスキー=コルサコフの「熊蜂の飛行」を速弾きしてくれました。この曲、もともとはオペラのなかの一場面で登場する曲で、速弾きのための曲というわけではないのですが、熊蜂の羽音の描写がコミカルなこともあって、よくヴァイオリンの速弾きなどで用いられるようになりました。しかし、この曲をチェロで速弾きする人がいるとは! まるで熊蜂がヒュンヒュンと超高速で飛び回っているかのようでした。
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高嶋ちさ子と7人のチェリストの音楽会
投稿日:2018年07月28日 10:30
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