今回は作曲家アントン・ブルックナーの魅力に迫りました。ブルックナーの交響曲第3番、本当にカッコよかったですよね。
ブルックナーの交響曲は、オーケストラの演奏会のメイン・プログラムに欠かせないレパートリーになっています。ウィーン・フィルをはじめ世界の超一流楽団の来日公演や、日本のオーケストラの定期演奏会では、ベートーヴェンやブラームスに負けず劣らずブルックナーは人気のある演目といえるでしょう。
ブルックナーの交響曲は70分や80分もかかるような大曲ぞろい。長いだけに近づきがたい印象を受ける方もいらっしゃるかもしれませんが、これだけ盛んに演奏されるのは、なんといっても大作ならではの深い感動があるから。小説でたとえれば大長篇を読み終えた後に放心するような、そんな特別な感情を呼び起こしてくれるのです。
オーケストラの演奏会でとびきりの名演が生まれたときは、なんどもカーテンコールで指揮者が呼び出された後、オーケストラのメンバーが舞台から退いてもまだ拍手が止まず、最後に指揮者ただひとりが盛大なブラボーの声とともに呼び出されることがあります。これをソロ・カーテンコールなどと呼びますが、これまでの経験からいって、もっともソロ・カーテンコールが起きやすいレパートリーはブルックナーの交響曲ではないかと思います。それだけ作品の力が強いともいえますし、指揮者もオーケストラもすべてを出し尽くす作品だともいえるでしょう。
ブルックナーの交響曲はどれも共通した特徴を持っています。番組中でも説明があったように「ブルックナー開始」「ブルックナー・ユニゾン」「ブルックナー休止」「ブルックナー・リズム」「ブルックナー終止」といった言葉があります。音楽的な特徴に対してまるでプロレスの決め技のように名前が付いているのがおもしろいですよね。ここぞという場面で、期待通りの技がビシッと決まる。ブルックナーの交響曲には、そんな快感があります。
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ブルックナーの音楽会
投稿日:2017年07月09日 09:30
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