今回より3週にわたって、今年開館40周年を迎えた「クラシック音楽の殿堂」サントリーホールを舞台に、日本のクラシック音楽界を牽引するアーティストたちをお招きいたします。1週目は若い世代を代表して、このホールと縁の深い鈴木優人さんと反田恭平さんにご登場いただきました。
生の音を聴くクラシック音楽では、ホールも楽器のひとつと言っても過言ではありません。サントリーホールは1986年に東京で初めてのコンサート専用ホールとして誕生し、そのすぐれた音響は海外にも広く知られています。毎日のように内外のトップアーティストたちが舞台に立ち、旺盛な活動がくりひろげられています。
サントリーホールの誕生にあたっては、当時の大指揮者ヘルベルト・フォン・カラヤンのアドバイスが生かされました。客席がステージをぐるりと囲むヴィンヤード型は、カラヤンが率いるベルリン・フィルの本拠地と同じスタイル。聴衆と音楽家の一体感が特徴です。さらにカラヤンが「オルガンのないコンサートホールは家具のない家のようなもの」と言ったことから、オーストリアのリーガー社による世界最大級のオルガンが設置されることになりました。
今回は鈴木優人さんがサントリーホールが誇るオルガンで、バッハの前奏曲とフーガ「聖アン」より前奏曲を演奏してくれました。輝かしく荘厳な曲想から祝祭感があふれ出てきます。足鍵盤を巧みに操る様子が印象的でしたね。
反田恭平さんは精鋭ぞろいのサントリーホール祝祭オーケストラとともに、モーツァルトのピアノ協奏曲第26番「戴冠式」第3楽章で弾き振りを披露。この曲は1790年にフランクフルトで行われた神聖ローマ皇帝レオポルト2世の戴冠式に合わせて演奏されたことから「戴冠式」の愛称で呼ばれます。晴れやかで高揚感にあふれた爽快なモーツァルトでした。
飯尾洋一(音楽ジャーナリスト)

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