今週はクリスマス・パーティー企画。フルートのCocomiさん、笙のカニササレアヤコさん、田中祐子さん指揮東京フィルハーモニー交響楽団のみなさんをお迎えして、クリスマスにぴったりの名曲を演奏していただきました。
最初の曲は田中祐子さん指揮東京フィルの演奏で、チャイコフスキーの「くるみ割り人形」より「行進曲」。「くるみ割り人形」はクリスマスイブに起きる不思議な出来事を題材にしたバレエ音楽です。少女クララがクリスマスプレゼントにもらったくるみ割り人形が、夜になると王子さまに変身し、クララをお菓子の国へと誘います。毎年この時期になると、世界中の劇場でこのバレエが上演されます。
石丸幹二さんが歌ってくれたのは「ビー アワ ゲスト(おもてなし)」。こちらはミュージカル「美女と野獣」の名曲です。作曲はアラン・メンケン。「リトル・マーメイド」や「アラジン」など数々の名作を手がけてきたディズニー音楽の巨匠です。石丸さんの輝かしい声がパーティへの期待感を高めてくれます。
Cocomiさんは「Let’s Fall In Love」で、洒脱で軽快な演奏を披露してくれました。この曲は1933年の同名の映画で使われ、以後、スタンダード・ナンバーとして親しまれています。作曲者はハロルド・アーレン。ミュージカル「オズの魔法使い」の「オーバー・ザ・レインボー(虹の彼方に)」を作曲した人ですね。
カニササレアヤコさんは「きよしこの夜」と「O’HOLY NIGHT」をまさかの笙で演奏。笙がパイプオルガンに似ているというお話には目から鱗が落ちました。たしかに、どちらも多数の管に空気を吹き込んで音を出す楽器です。
おしまいはフルートと笙の共演でクリスマス・キャロル「JOY TO THE WORLD」。笙が単旋律を奏でるアレンジは新鮮です。クリスマスとお正月が一度にやってきたような祝祭感がありました。
飯尾洋一(音楽ジャーナリスト)