新型コロナ感染症の流行により昨年と一昨年は中止になったサマーステーションが、この夏、3年ぶりに開催されました。今回はスペシャルゲストにToshlさんとディカペラのみなさんを迎えて、エリック・ミヤシロ・バンドの演奏でお届けしました。曲はおなじみのディズニーソングがずらり。本当に名曲ぞろいだとあらためて感じます。古典から近作まで、名曲が途切れることなく生み出されているのがすごいですよね。
『アナと雪の女王』より「レット・イット・ゴー~ありのままで~」では、Toshlさんとエリック・ミヤシロ・バンドが初共演。ハイトーン界の最強ツートップが誕生しました。Toshlさんのパワフルでダイナミックな歌唱から、アナの決意がひしひしと伝わってきて、想像を超える熱いパフォーマンスでした。
ディカペラはディズニー初の公式アカペラグループ。以前にも番組でご紹介したことがありますが、グループの結成に際してオーディションを行ったところ、全米から1500名を超える応募者が殺到したといいます。すでに活躍しているプロからアマチュアまで、さまざまなバックボーンを持った応募者たちのなかから選び抜かれたのがこのメンバー。ひとりひとりのキャラクターを生かしながらも、全員で美しく調和したひとつの音楽を作り出しているところが見事だったと思います。しかも今回は『リトル・マーメイド』の「パート・オブ・ユア・ワールド」と『アラジン』の「ホール・ニュー・ワールド」の2曲をマッシュアップするという超絶技巧。6人のアカペラでこんなことができるとは!
「美女と野獣」でのToshlさんと石丸幹二さんのデュエットは聴きごたえ抜群。Toshlさんがベル役なんですね。のびやかで輝かしいToshlさんの声と、まろやかで温かみのある石丸さんの声という組合せが絶妙だったと思います。
飯尾洋一(音楽ジャーナリスト)