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市民が文化をつくる街・知多で音楽会~ちたUMEブラス本番

投稿日:2025年12月08日 12:41

 今週は愛知県知多市で活動する小学生から中学生による金管アンサンブル「ちたUMEブラス」の本番の模様をお届けしました。これまで上野耕平さんたちのサポートのもと、5か月間にわたって特訓を積んできた子どもたちが、ついに本番のステージを迎えました。
 演奏前は緊張した面持ちの子どもたちでしたが、いざ「ライラック」の演奏が始まってみると、見違えるほど上達しているではありませんか! ひたむきさのなかに自信も感じられる演奏で、とても豊かで温かみのある音楽が生み出されていました。やはり子どもたちの吸収力というのはすごいものだと感じます。見事に晴れ舞台を飾ってくれました。
 PANDA Wind Orchestraのみなさんによるプロフェッショナルならではの演奏からは、あらためてウインド・オーケストラの魅力を教わったように思います。こんなにも色彩的で、幅広い表現ができるのかと驚くばかり。これほど歌心にあふれた「アメイジンググレイス」はなかなか聴けるものではありません。上野さんのアルトサクソフォンをはじめ、それぞれの楽器が情感豊かにメロディを奏でます。佐藤采香さんのユーフォニアムのまろやかな音色も印象的。心に沁みました。
 おしまいに演奏されたのは、ホルストの吹奏楽のための組曲第1番より第3楽章マーチ。この曲はクラシックの大作曲家が吹奏楽のために書いた貴重な傑作です。吹奏楽の分野における古典といってよいでしょう。ホルストは組曲「惑星」で名声を築いたイギリスの作曲家ですが、有名になる前は劇場オーケストラでトロンボーン奏者を務めていた時代もありました。組曲第1番は1909年の作曲。まだ「惑星」を書く以前の作品です。背筋が伸びるような格調高さ、流麗なメロディ、軽やかなユーモアなど、いろんな要素をあわせもったマーチでした。2つのメロディが同時に進むところはカッコよかったですよね。

飯尾洋一(音楽ジャーナリスト)

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