日本の民謡って、なんだかカッコいいと思いませんか。今回の「新しい民謡の音楽会」では、現代版にアップデイトされた日本の民謡の数々をお楽しみいただきました。
民謡とは「民衆の日常生活のなかから自然に生まれ、民衆のあいだで長く歌いつがれ、その土地の人々の生活感情を反映した歌謡」のこと(「新編 音楽中辞典」より)。普段、民謡にまったくなじみのない方であっても、日本人ならだれしも聴けば懐かしさを感じる。民謡にはそんな普遍的な力強さがあると思います。
クラシック音楽の歴史のなかでも民謡は大きな役割を果たしています。とりわけ20世紀前半には、バルトークやコダーイ、ストラヴィンスキーなど、多くの作曲家たちが自作に民謡を取り込んでいます。民謡の再発見が新たな音楽語法の開拓につながったといってもよいでしょう。
日本でも多くの作曲家たちが民謡を創作力の源としています。たとえば、オーケストラ曲でもっとも有名な例は、外山雄三作曲の「管弦楽のためのラプソディ」。八木節や炭坑節が用いられ、日本の楽団が海外公演をする際に盛んに演奏されています。
本日の一曲目、三善晃作曲「五つの日本民謡」の「ソーラン節」は、混声合唱のために書かれた作品です。民謡の編曲ではありますが、編曲を超えたオリジナル作品といってもおかしくないでしょう。モダンな作風にもかかわらず、民謡の持つ根源的なパワーは失われていません。
「日本全国人気民謡メドレー」と「東京音頭」では、合唱と吹奏楽という組合せで、民謡がさまざまなスタイルでアレンジされていました。サンバなど外国のリズムも取り入れたハイブリッド民謡とでもいいましょうか。楽しかったですよね。合唱と吹奏楽が共演するレパートリーとしての可能性も感じさせてくれました。
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新しい民謡の音楽会
第27回 出光音楽賞受賞者ガラコンサート
今週は第27回出光音楽賞受賞者ガラコンサートの模様をお届けいたしました。新進音楽家の登竜門として知られる同賞ですが、今年はピアノの反田恭平さん、オーボエの荒木奏美さん、ソプラノの小林沙羅さんの3名が受賞しました。いずれも現在大活躍中の気鋭の若手ばかり。納得の人選ですよね。
反田さんは目標とする音楽家にラフマニノフを挙げ、ラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」を演奏してくれました。ラフマニノフは作曲と実演の両方で頂点をきわめたという点で、20世紀最大級の音楽家といえるでしょう。ロシアに生まれ、アメリカに渡ってからは当代一流のピアニストとして名声を築きました。あまりにもピアニストとして多忙だったためか、アメリカ時代に作曲された作品はごくわずかしかありませんが、「パガニーニの主題による狂詩曲」はそんな貴重なアメリカ時代の一曲。反田さんも、いずれはピアニストという存在を越えた音楽家に育ってゆくのでしょうか。
オーボエの荒木奏美さんは現在、東京交響楽団の首席オーボエ奏者を務めています。オーケストラの首席奏者のポジションを射止めるのは大変なこと。しかし、荒木さんはすでに在学中からこのポジションに就いています。一般にオーケストラは木管楽器の各パートにふたりの首席奏者を配し、演奏会ごとにどちらかが一番奏者を務めるものですが、東京交響楽団のもうひとりの首席オーボエ奏者は、第20回出光音楽賞を受賞した荒絵理子さん。同じ首席オーボエ奏者にふたりの出光音楽賞受賞者が名を連ねるという豪華な陣容になっています。近年際立った躍進ぶりを見せる同楽団ですが、これもすぐれた奏者がいてこそだと改めて実感します。
小林沙羅さんは声の魅力に加えて、演技力の高さも受賞理由に挙げられていました。レハールの「ジュディッタ」より「熱き口づけ」での間奏のダンスはさすが。客席が一段と熱く盛りあがっていましたね。
教科書を超えた音楽会
音楽の教科書に書いてあることはすべて正しいはず。でもそこに書いてあることからさらに一段踏み込んで、生きた音楽を奏でるにはどうしたらよいのか。今週は世界的指揮者山田和樹さんならではの視点による「教科書を超えた音楽会」をお届けしました。
音楽辞典で「スタッカート」の意味を調べると、「各音を短く切って演奏すること」などと記述されています。楽譜上の表記は符頭の上下に点(・)を付けるのが一般的ですが、楔(▼)マークが付くこともあります。この点と楔を合わせるとビックリマーク(!)になるという山田さんの説明には、思わず声を上げて笑ってしまいました。おもしろい! でも、冗談ではなくて、これが表現の本質を突いている、ということなんですよね。
山田理論によれば、「スタッカートは音を短くきるのではなく、特別な音にする」。「特別な音」と言われてピンと来なかった方も、実演での比較を見ると、たしかに違いがあると感じていただけたのではないでしょうか。ただ音を短く切るだけだと、無表情な音楽になってしまうという説明には納得。
続く「半音は全音よりエネルギーを使え」や「イン・テンポは音楽に存在しない」といった山田さんの教えも、一見すると逆説的ですが、実例を伴うとよくわかります。感情表現が生まれてくるのは半音から。イン・テンポが当然と思われるマーチのような曲ですら、細かく見ればテンポは動いている。最初の「スタッカートを特別な音にする」も含めて、これらはすべて音楽に命を吹き込むための方法といってよいでしょう。
今回は山田和樹さんが指揮する吹奏楽という点でも興味深いものでした。チェザリーニ作曲の交響詩「アルプスの詩」は、まさにリヒャルト・シュトラウスばりの壮麗な音のスペクタクル。アルプスの雄大な光景が目に浮かんでくるかのような演奏でした。
巨匠VS吹奏楽部の音楽会
今週は「巨匠VS吹奏楽部の音楽会」。日本を代表するトップ・ミュージシャンたちと名門吹奏楽部の共演が実現しました。憧れの存在と、まさかの共演。高校生たちの生き生きとした表情が印象に残りました。
トップ・ミュージシャンたちが渡した課題曲も三者三様でおもしろかったですよね。トロンボーンの中川英二郎さんが出した課題曲はモンティ作曲の「チャールダーシュ」。クラシック音楽の世界では、ヴァイオリニストが鮮やかなテクニックを披露するために、よくアンコールで弾く人気曲です。これを吹奏楽で演奏するというのも興味深いところ。中川さん編曲のジャズ・バージョンで東海大学付属高輪台高等学校吹奏楽部が挑戦しました。快速部分での中川さんのソロは、とてもトロンボーンとは思えない俊敏さと切れ味。中川さんはジャズのアドリブ風の部分がポイントとおっしゃっていましたが、高校生たちも華麗な演奏でビシッと決めてくれました。
サックスの本多俊之さんは、浜松聖星高等学校吹奏楽部との共演。課題曲は本多さんの楽曲である AMPLITUDE です。これは独奏サクソフォンと吹奏楽のための協奏曲と呼んでいいような、とても聴きごたえのある楽曲でした。変拍子が多用され、リズムがかなり難しそう。それでもソロとぴたりと足並みをそろえて、ともにひとつの音楽を作り出していた浜松聖星高校のみなさんには脱帽です。
トランペットのエリック・ミヤシロさんの課題曲は「宝島」。共演は「イチカシ」こと、柏市立柏高等学校吹奏楽部です。吹奏楽の世界で「宝島」といえば真島俊夫編曲があまりにも有名ですが、エリックさんは今回のために新たな編曲を作ってくれました。エリックさんの軽やかなハイトーンと、高校生たちのまろやかなサウンドが、新鮮な「宝島」を生み出していました。
それにしても三校とも演奏のレベルが高いのにびっくり。うまいだけではなく、吹奏楽の楽しさが伝わってくるところがいいですね。
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