今週は石丸幹二さんがセレクトしたベストソング集。これまでに登場した多彩なボーカリストたちの歌唱をふりかえりました。どれも記憶に残る名演でしたね。
ディズニー公式アカペラグループのディカペラが歌ったのは「アナと雪の女王」の「レット・イット・ゴー」&「雪だるま作ろう」。ボイスパーカッションが効果的で、アカペラとは思えないほど豊かな表現力があります。声に透明感と清涼感があるところも魅力です。
「美女と野獣」の「ひそかな夢」を歌ったのは山崎育三郎さん。とてもエモーショナルな歌唱で、野獣の内面の葛藤がひしひしと伝わってきました。
RPGゲーム「ファイナルファンタジーVIII」の「アイズ・オン・ミー」では、ソプラノの森麻季さんとギターの村治佳織さんが共演。こちらは番組55周年を記念してサントリーホールで収録された演奏です。国際的に活躍する山田和樹さんが55周年祝祭オーケストラを指揮しました。このオーケストラのメンバーがありえないほど豪華! 名だたる国際コンクールで受賞した気鋭のソリストたちがずらりと顔を並べています。ゲームミュージックがトップレベルの音楽家たちによって演奏されること自体がひとつの事件といっても過言ではありません。
「マイ・ウェイ」を歌ってくれたのは、イタリア人男性オペラ歌手3人によるユニット、イル・ヴォーロ。3人の個性がうまくひとつに融合するユニットですが、ここに石丸さんがまったく違和感なく溶け込んでいることにびっくり。
最後に登場したイル・ディーヴォは男性ボーカルユニットの先輩格。こちらは4人全員の出身地が違う多国籍ユニットです。「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」で披露してくれた輝かしい声は圧巻。この日の収録では、いつにも増して客席に熱気が渦巻いていたのを思い出しました。
飯尾洋一(音楽ジャーナリスト)