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大作曲家が愛したピアノを知る休日

投稿日:2018年09月29日 10:30

今週は小川加恵さんと仲道祐子さんをお招きして、過去の大作曲家たちが使っていた当時のピアノ「フォルテピアノ」の魅力と特徴をお伝えいたしました。モーツァルトやショパンが使っていたピアノは、現代のピアノとはずいぶん違っていたんですね。
 まず、なによりも音色が違います。現代のピアノに比べると、ずっと軽やかで、キラキラと輝くような音色が響きます。仲道さんが鍵盤は浅くて軽いとおっしゃっていましたが、細かい音符の連続もさらりと自然に弾けてしまうようです。なるほど、こういう楽器があったから、モーツァルトやショパンの傑作が生まれたのだと納得できました。もし当時に現代のピアノが存在していたら、モーツァルトもショパンも別の作風で曲を書いていたかもしれませんね。
 ピアノはクラシック音楽の歴史とともに大きく変化を遂げてきた楽器です。バッハのようなバロック時代の作曲家たちは、フォルテピアノのさらに前身のチェンバロ等の鍵盤楽器を用いていました。モーツァルト、ハイドン、ベートーヴェンらの時代に、フォルテピアノはどんどん改良され、音域も広くなり、それにともなって作曲家たちが書く作品も変わってきました。
 近年のクラシック音楽界では、作曲家が存命中だった頃の楽器や奏法を用いて、作品本来の姿を尊重しようという考え方が広まりつつあります。今秋ポーランドでは第1回国際ショパンピリオド楽器コンクールが開かれました。これはあの有名なショパン国際コンクールと同一の組織が開催しているコンクールで、参加者が弾くのはピリオド楽器、つまり当時の楽器のみ。第2位に日本人の川口成彦さんが入賞してニュースになりました。
 古い時代の音楽を演奏するにはフォルテピアノはすばらしい楽器です。ただし、フォルテピアノは現代のピアノのようなパワフルな音を出すことができません。サロンには適していても、コンサートホールのような大空間を音で満たすのは無理な話。次第に人々はより強く、より輝かしい音を出す楽器を求めるようになり、ピアノは現在の形へと姿を変えていったのです。

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