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世界が描いた日本の音楽会

投稿日:2017年04月17日 08:50

今週は日本を題材とした曲や、日本文化に触発された曲をお届けしました。
 この分野の代表作は、なんといってもプッチーニのオペラ「蝶々夫人」でしょう。舞台は長崎。中村恵理さんによるドラマティックな「ある晴れた日に」、すばらしかったですよね。アメリカ人の夫ピンカートンの帰りを信じて待つ蝶々さんの純朴な心情が歌われます。でも、ピンカートンは帰ってくるつもりなんてありません。彼にとって蝶々さんは日本で形ばかりの結婚式を挙げた遊び相手。本当の妻はアメリカにいます。それなのに蝶々さんは、夫が帰ってきたら「嬉しさのあまり死んでしまいそう」と歌っているのです。
 ピンカートンってとんでもない男ですよね。もちろん、この話は悲しい結末を迎えます。プッチーニはずいぶん日本女性を酷い目にあわせてくれるなと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、プッチーニのオペラでは「蝶々夫人」に限らず、いつもヒロインは過酷な運命にさらされます。こんなに「泣かせるオペラ」を書いた人はいません。
 今回番組で演奏された曲のほかにも、さまざまな作曲家たちが日本を題材に作品を書いています。オペラの世界では、マスカーニの「イリス」とギルバート&サリヴァンのオペレッタ「ミカド」が日本を舞台にしています。「イリス」では大阪とか京都という名前の登場人物が出て来たり、「ミカド」では日本の都がティティプーという不思議な名前だったり、私たちから見ると珍妙なところもありますが、なにしろ19世紀の作品ですからしょうがありません。
 20世紀にも日本を題材とした作品がいくつも書かれています。ストラヴィンスキーは日本の和歌に曲を付けた「日本の3つの抒情詩」を作曲しました。また、メシアンには「7つの俳諧」という曲があります。これはメシアンが来日して、奈良や軽井沢を訪れた際の印象を音楽で表現したもの。作曲は1962年。この頃になると、もう日本ははるか彼方のミステリアスな国ではなく、実際に足を運べる国になっていたわけです。

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コメント

日本がテーマの音楽会。私は蝶々夫人とドビュッシーの海しか思いつかないのですが 結構沢山あるのですね。リュートの調べと石丸さんの歌声とても良かったです。

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