この番組には世界的に活躍する演奏家が次々と登場していますが、真に世界最高峰の存在という意味でマキシム・ヴェンゲーロフは別格だと思います。
ラヴェルの「ツィガーヌ」の演奏、すばらしかったですよね。バックにオーケストラがいるにもかかわらず、冒頭の約4分間はヴァイオリンのみの独奏で演奏するという特殊な作品でしたが、ヴェンゲーロフの最初の一音が鳴り響いた瞬間に、東京オペラシティ・コンサートホールの空気が変わったように感じました。これほど強靭で、なおかつ潤いのあるサウンドは、なかなか聴けるものではありません。技巧が技巧そのものをひけらかすためのものではなく、自在な感情表現と一体になっているのも名手ならでは。演奏が終わると客席から「ブラボー!」の声がかかっていました。
若き日のヴェンゲーロフが五嶋家を訪れていたというエピソードにはびっくりしました。龍さんのお姉さん、五嶋みどりさんも世界的なヴァイオリニストとして知られています。それにしても当時2歳の龍さんが、ヴェンゲーロフの来訪を覚えているというのがすごいですよね。よほど強い印象が残っていたのでしょう。
最後のショスタコーヴィチの「祝典序曲」は、ヴェンゲーロフの指揮でお聴きいただきました。近年のヴェンゲーロフは指揮活動も活発に行なっています。ヴァイオリニスト出身の指揮者は珍しくありませんが、ここまでヴァイオリンを極めた人が指揮をするとなれば、やはり注目せずにはいられません。ヴァイオリンを持って弾き振りもできますし、純粋に指揮だけをすることもできる。音楽家としての幅が広がっています。
すでに風格が漂っていますが、実はまだ41歳のヴェンゲーロフ。これからどんな可能性が開けているのか、想像もつきません。
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ヴェンゲーロフの音楽会
投稿日:2016年04月10日 09:30
コメント
感嘆の音楽会でした。夢が叶ったという五嶋龍さんの感激さが伝わってくるようです。みどりさんとの心あたたまるエピソードも披露して下さいましたが、ご自宅訪問とは改めてすごいご一家なんですね。指揮者になられたいきさつも語られていましたが 素晴らしいお話でした。30分の放送時間だと足りないです…率直な感想です。
本日はヴェンゲーロフさんが出演ということで、母と共に首を長くして待っていました。そして、その甲斐がありました。ずっと前から、それこそ「世界最高峰」の中でも「別格」な存在として注目していた方と、龍さんとの共演ですから。何年か前にまさかの引退・・・ということで愕然としましたが、こうして、また演奏が聴けて、更に龍さんと同じ舞台を踏んでくれるなんて、この上ない喜びです。
そして、やはり、演奏も別格中の別格で、感動しました。またのご出演を期待します。そして、今度は、アンコール曲で人気の「愛の挨拶」など、耳にやさしい曲を、龍さんと、交互に弾いていただくというのはいかかでしょうか。是非、実現していただきたいものです。
ヴェンゲーロフさんすばらしかったです。テレビの前でブラボー!と叫んでしまいました。とても豊かな音と幅とゆるぎない存在でした。指揮を学んだことがこのようなすばらしい音楽を生み出されるのかなとも思いました。でも中から湧き出てくる音楽で、この方のコンサートを是非聴きたくなりました。ありがとうございました。