今週は大反響をいただいたミュージカル企画の第2弾、「ミュージカルをミュージカルで説明する音楽会リターンズ」をお届けしました。ミュージカルやオペラの台詞の部分が歌になっているように、音楽番組のトーク部分もぜんぶ歌になっていてもいいのでは? そんな発想から生まれたのがこの企画。ミュージカルをミュージカル仕立てで説明するメタミュージカルを目指しました。
今回のテーマは「愛」。ミュージカルに登場するさまざまな愛を題材とした名曲を、真彩希帆さん、石丸幹二さん、今井清隆さんに歌っていただきました。
最初の曲はアンドリュー・ロイド=ウェバー作曲の「ラブ・ネバー・ダイ」より「心で見つめて」。名作「オペラ座の怪人」から10年後を舞台に、クリスティーヌと息子グスタフ、ファントムたちの物語が描かれます。ここで表現されるのは「母の愛」。真彩希帆さんの清澄でのびやかな声がすばらしかったですね。続く「君の歌をもう一度」では、同作でクリスティーヌへの「執念の愛」を抱き続けるファントムの想いが吐露されます。石丸幹二さんのリリカルかつ力強い歌唱に圧倒されます。
3曲目はアラン・メンケン作曲の「美女と野獣」より「愛せぬならば」。ミュージカル界の重鎮、今井清隆さんが深く温かみのある声で、ビースト(野獣)の「絶望の愛」を歌いあげます。円熟の歌唱に会場がわきあがりました。これは泣けます。
4曲目はフランク・ワイルドホーン作曲の「ジキル&ハイド」より「罪な遊戯」。同一人物の善悪両面を体現するジキルとハイド、そして娼婦ルーシーの物語が描かれます。ハイドとルーシーの「危険な愛」が、石丸幹二さんと真彩希帆さんによってスリリングに歌われました。
おしまいはクロード=ミシェル・シェーンベルク作曲の「レ・ミゼラブル」より「民衆の歌」。全員の歌唱と田中祐子さん指揮東京フィルのゴージャスなサウンドで、華やかなクライマックスが築かれました。
飯尾洋一(音楽ジャーナリスト)

公式サイト