今週は愛知県知多市で活動する小中学生による金管アンサンブル「ちたUMEブラス」で奮闘する子どもたちの姿をご覧いただきました。サクソフォン奏者の上野耕平さんとPANDA Wind Orchestraのみなさんによるサポートを得て、5か月にわたる練習を経て本番のステージを目指します。今回はシリーズの第1回、始動編です。
知多市では小学校の部活動が廃止になったことにともない、新たに「ちたUMEブラス」が発足しました。上野さんはこれを「これからの吹奏楽活動のモデル」と前向きにとらえ、積極的に応援していきたいと語ります。
上野さんが「ちたUMEブラス」との練習で、最初に教えたのは、「息の使い方がいちばん大事」ということ。この先、どんなに上手になっても大切なことだと言います。息を全部吐き切る練習からスタートし、なるべく音を遠くへ飛ばすイメージを持つように指導します。子どもたちから「宇宙の外側」という表現が出てきましたが、すばらしい発想ですよね。レッスンを通じて、子どもたちの音が変わっています。レッスン後、上野さんが「少し教えただけであれだけ変わる」と話していましたが、子どもたちの吸収力はすごいと感じます。
2回目のレッスンは本番と同じホールでの練習です。PANDA Wind Orchestraのトロンボーン奏者、山下純平さんが指導に当たりました。山下さんの教えは「音を鳴らすときは自然な呼吸で」。やはり息が大事なんですね。マウスピースを使った練習に、みんなで一生懸命取り組んでくれました。
本番ではどの曲を演奏するのか。子どもたちから挙がった名前は、Ado、YOASOBI、Mrs. GREEN APPLE。最終的にリクエストの多かったMrs. GREEN APPLEの「ライラック」に決まりました。「ちたUMEブラス」のこれからの挑戦から目が離せません。
飯尾洋一(音楽ジャーナリスト

公式サイト
コメント
モデルになるという意見について危機感を覚えます
吹奏楽部の廃止の流れが加速しなければいいなと感じました
小学校での活動のよさは日常的な活動によって多くの子の耳に音が届き吹奏楽部に関わりのない子にとっても音楽に興味を持つきっかけとなりうるということがあると思います
今回の活動は興味のある子や親にとっては素晴らしいものであると思いますが広がりはあまりないのではないかと思います
音楽に興味を持つ子を増やすにはコロナ以前へのゆるやかな回帰も目指すべきではないでしょうか