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オーケストラの土台!コントラバスとティンパニを知る休日

投稿日:2025年11月08日 10:30

 今週は「オーケストラの土台」を担うコントラバスとティンパニに焦点を当ててみました。指揮者の角田鋼亮さんいわく、サッカーにたとえればコントラバスはディフェンダー、ティンパニはゴールキーパー。後方に頼りになる守備陣が控えているからこそ、攻撃陣はのびのびとプレイできるということなのでしょう。
 オーケストラではコントラバスだけが演奏する場面はほとんどありませんから、今回の放送を見て、「コントラバスってこんなことをやっていたんだ!」と知ることがたくさんあったのではないでしょうか。モーツァルトの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」を例に幣さんの解説がありましたが、メロディを奏でるヴァイオリンに寄り添うこともあれば、走りすぎているようならさりげなく落ち着かせたりと、陰で全体をコントロールしている話がおもしろいと思いました。
 瀬さんのコントラバスがオーケストラのなかで消費カロリーがナンバーワンだというお話にもびっくり。ベートーヴェンの「田園」第4楽章の嵐の場面を演奏してくれましたが、あんなに全身で弾いていたとは! そして「第九」終楽章のコントラバスは最高にカッコいいですよね。
 ティンパニはオーケストラではよく目立つ楽器です。豪快なイメージがありますが、実は音程がすぐに変わるなど、繊細な楽器でもあることがよくわかりました。武藤さんがバルトークの「管弦楽のための協奏曲」第4楽章を実演してくれましたが、両足を使ってペダルで音程を操るんですね。これは難しそう。塩田さんが実演してくれたマレットによる音の違いもたいへん興味深いものでした。硬く鋭い音から、柔らかく豊かな音まで変幻自在。これだけ音が違えば、曲の印象もずいぶん変わってきます。
 おしまいはティンパニとコントラバスのみで『スター・ウォーズ』より「帝国のマーチ」を。これだけでダース・ベイダーの恐ろしさが十分に伝わってきます!

飯尾洋一(音楽ジャーナリスト)

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