今週は葉加瀬太郎さんによる大人気企画「題名プロ塾」第4弾の前編をお送りしました。最終レッスンで選ばれた塾生1名は番組からのデビューが約束されているこの企画、これまでにも林周雅さん、堀内優里さん、ミッシェル藍さんの3名が合格して、現在活躍をくりひろげています。
前編となる今回は、クラシックの名曲を原曲としたそれぞれジャンルの異なるポップスを5人の塾生のみなさんに演奏していただきました。クラシックとはまた違った演奏スタイルが求められることが、葉加瀬さんのアドバイスからよく伝わってきましたよね。
渥美結佳子さんが演奏したのはロック版「ペール・ギュント」。原曲はグリーグ作曲の「ペール・ギュント」の「山の魔王の宮殿にて」です。渥美さんの鮮やかな演奏が、葉加瀬さんのアドバイスによって、一段と大きく羽ばたいたように感じました。
ディキシーランド・ジャズ版「威風堂々」を演奏したのは成宮千琴さん。原曲はエルガーの代表作です。葉加瀬さんのアドバイスでメンバー全員と向き合って演奏することで、ぐっと対話性の豊かな演奏になりました。
カントリー版「カルメン」を演奏したのは田中杏佳さん。歯切れのよい軽快な演奏でしたが、葉加瀬さんが求めたのはテヌートを基本とした演奏。ムードが一変して、リラックスしたテイストが生まれました。
モーツァルトの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」はしっとりしたバラード版で。新美麻奈さんの演奏は深みのある豊かな音色が印象的でした。休符の扱いを大切にして、歌うように弾くという葉加瀬さんのアドバイスで、さらに味わいが増しました。
スウィング・ジャズ版「白鳥の湖」を演奏したのは木村元美さん。葉加瀬さんの弓を弦から離さないで休符を表現するというアドバイスで、音楽の推進力が増しました。
最終レッスンに進んだのは渥美結佳子さん、成宮千琴さん、新美麻奈さんの3名。はたしてだれが選ばれるのか、次回が楽しみです。
飯尾洋一(音楽ジャーナリスト)