今週は現在公開中の『映画ドラえもん のび太の地球交響楽(シンフォニー)』とのコラボレーション企画をお送りいたしました。映画では「音楽」をテーマに、ドラえもんとのび太くんたちが大冒険をくりひろげます。
石丸幹二さんも「ワークナー」役で声で出演。オペラ口調で話す役柄なのですが、オペラの大作曲家ワーグナーをもじっているんですね。ほかにもベートーヴェン風の「ヴェントー」、モーツァルト風の「モーツェル」、滝廉太郎風の「タキレン」といった作曲家にちなんだ名前の登場人物が出てきます。
歌姫ミーナ役の声優を務めるのは芳根京子さん。この映画をきっかけに全国から参加者を募集して結成された子ども楽器隊「ドラドラ♪シンフォニー楽団」といっしょに、フルートを演奏してくれました。曲は「夢をかなえてドラえもん」。元気いっぱいに演奏する子どもたちの姿を見ると、元気がわいてきます。
映画では、のび太くんが苦手なリコーダーを練習しているところに、不思議な少女ミッカがあらわれます。そこで今回の収録では、客席のみなさんにリコーダーを持参してもらい、栗コーダーカルテットといっしょに「リコーダーの課題曲「白鳥のエチュード」」を演奏していただきました。子どもたちにとっては学校の授業でおなじみのリコーダーですが、大人にとっては懐かしい楽器。もうすっかり指使いを忘れてしまったという方も多かったことでしょう。なんと、東京交響楽団のみなさんもリコーダーで参加してくれました。大人数で吹いたリコーダーの音色はすごく爽やかで温かみがありますね。
ミッカ役は平野莉亜菜さん。透き通るような清澄な声がすばらしい! おしまいの「地球交響楽〜1楽章」では、作曲者服部隆之さん自身の指揮のもと、東京交響楽団の重厚なサウンドに、平野さんの歌、栗原正己さんのリコーダー、林周雅さんのヴァイオリンなど、さまざまなソロが加わって、雄大な楽想を堪能させてくれました。
飯尾洋一(音楽ジャーナリスト)