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オーケストラで聴くサッカー応援曲の音楽会

投稿日:2022年11月26日 10:30

FIFAワールドカップカタール2022のグループステージ第1戦では、日本代表がドイツ代表に逆転勝利をあげました。本当に見ごたえのあるすばらしい試合でしたよね。第2戦のコスタリカ戦に向けてますます期待の高まる中、今週は元日本代表の内田篤人さんをお招きして、オーケストラでサッカーの応援曲をお楽しみいただきました。
 サッカー名曲としてまっさきに思い浮かぶのが、日本代表の応援歌にも使われるヴェルディ作曲のオペラ「アイーダ」の「凱旋行進曲」でしょう。「アイーダ」は古代エジプトを舞台とした人気作。エジプトの将軍ラダメスと敵国エチオピア王の娘アイーダとの禁じられた恋が描かれます。第2幕でラダメスが軍勢とともに凱旋する場面で、「凱旋行進曲」が高らかに奏でられます。勝利を祝う勇ましい音楽ですから、スタジアムにもよく似合いますよね。
 テレビ朝日のサッカー中継でおなじみ、サラ・ブライトマンの「クエスチョン・オブ・オナー」も、オペラに由来する名曲です。カタラーニのオペラ「ラ・ワリー」の有名なアリア「さようなら、故郷の家よ」が曲の冒頭とおしまいで登場します。オペラ「ラ・ワリー」は「アイーダ」と違ってめったに上演されない演目ですが、このアリアだけはとても人気が高く、単独で歌われる機会の多い楽曲です。ジャン=ジャック・ベネックス監督の映画「ディーバ」で効果的に使用されていましたので、映画で曲を知った方もいるかもしれません。
 最後に演奏されたエルガーの行進曲「威風堂々」もサッカー・シーンでよく耳にします。エルガーはイギリスを代表する作曲家。大英帝国の栄華を象徴するような勇壮な行進曲で、中間部のメロディは「希望と栄光の国」の題で親しまれています。聴くと思わず背筋が伸びるような格調高い曲想がいかにもエルガー。イギリスをはじめ、日本を含む世界各国のサッカー・クラブの応援歌として愛唱されています。

飯尾洋一(音楽ジャーナリスト)

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