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七夕の音楽会

投稿日:2019年07月06日 10:30

七月七日は織姫と彦星が一年に一度だけ会うことができる七夕。でも知っているようで知らないのが七夕です。今では主に子供たちが短冊に自由に願い事を書く日になっていますが、もともとは「芸事・習い事の上達をお願いする日」という意味合いがあったんですね。
 七夕といわれてまっさきに思い出す唱歌が「たなばたさま」。作曲者の下総皖一は、日本近代音楽の発展に大きな役割を果たしたことで知られています。1898年生まれ、ベルリン音楽大学でヒンデミットに師事し、作曲家としてのみならず、『和声学』『対位法』など理論書の分野でも功績を残しました。とてもたくさんの校歌を作曲していますので、母校の校歌が下総皖一作曲だったという方もいらっしゃるかもしれません。
 西洋に七夕はありませんが、星にちなんだ曲はたくさん書かれています。城宏憲さんが歌った「星は光りぬ」もそのひとつ。プッチーニが作曲した人気オペラ「トスカ」の名場面です。「トスカ」は恐怖政治下のローマを舞台とした悲劇。画家カヴァラドッシとその恋人である歌手のトスカの過酷な運命が描かれます。物語の終盤で、まもなく銃殺刑になるカヴァラドッシが、明け方の星を見上げて、恋人との甘いひとときを思い出しながら、絶望に打ちひしがれて「星は光りぬ」を歌います。城さんの輝かしい美声はカヴァラドッシにぴったり。よくフィギュアスケートなどでも使われる名曲です。
 モーツァルトのオペラ「魔笛」では、夜の女王という神秘的な役柄が登場します。このオペラはメルヘン仕立てになっていますが、筋立てにはモーツァルト自身も属していた友愛結社フリーメーソンの教義が反映されているといわれています。ここで描かれる光と闇の二元論的な世界で、闇に属するのが夜の女王。超自然的な存在だけに、歌唱も人間離れした超絶技巧が求められます。高橋維さんの夜の女王のアリア、本当にすごかったですよね。

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