今週は「音楽家の筋肉を知る音楽会」。音楽家ってあんなに筋肉が発達するものなんですね。打楽器奏者の池上英樹さんが、筋肉がよく観察できるようにアスリート・スタイルの服装で演奏してくれましたが、それほど違和感がありません。演奏する動きそのものがすでにアスリート的だからなのでしょう。どんなに技術的に難しいことをやっていても、動きが洗練されていると難しさを感じさせないところも、運動競技と一脈相通じるように思います。
反田恭平さんは手の筋肉に「ラフマニノフ筋」や「リスト筋」といった独自の名前を付けているのがおかしかったですね。見るからに普通の人の手とは違っていて、パワフルで正確なタッチはあの筋肉から生まれてくるのかと納得。なにより驚いたのは「ハノン教則本」です。ピアノ学習者にとっておなじみの教則本ですが、機械的なトレーニングにうんざりしたという記憶をお持ちの方も多いことでしょう。そんなハノンを反田さんのような第一線のピアニストがお使いだったとは! それにしてもあんなに超高速で滑らかなハノンは聴いたことがありません。
最後に池上さんが演奏してくださったのは、シュトックハウゼンの「ツィクルス」より。シュトックハウゼンは2007年に世を去った、戦後ドイツを代表する作曲家のひとりです。ツィクルスとは、ドイツ語で循環、周期といった意味。これは演奏者をぐるりと打楽器が円環のように囲んでいるということを意味すると同時に、楽譜の任意のページからスタートして一周して終わるという、楽曲全体の循環構造も示しています。
こうして演奏中の姿をいろいろな角度からカメラでとらえると、常に下半身も動いていることがよくわかります。やはりこういった作品は聴くだけではなく、見ることで迫力がぐっと増してきますね。
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音楽家の筋肉を知る音楽会
投稿日:2019年03月23日 10:30
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