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実はすごい!リコーダーの音楽会

投稿日:2019年03月16日 10:30

小学校や中学校の授業でほとんどの方がリコーダーを演奏した経験があるはず。今回はそんな身近な楽器が持つ真の魅力をお伝えいたしました。
 学校で演奏したリコーダーはソプラノやアルトだったと思いますが、栗コーダーカルテットのみなさんは、これにテナーとグレートバスが加わったリコーダー四重奏を披露してくれました。ベートーヴェンの「運命」や「スター・ウォーズ」の「帝国のマーチ」など、本来なら重々しい曲でもリコーダーで演奏すると一気に脱力したテイストになります。ピンク・レディーの「サウスポー」は実に軽快。編曲も冴えていました。
 リコーダーは古楽の世界ではごく一般的な楽器です。濱田芳通さんをはじめ、数多くの名奏者たちが活躍していますし、ルネサンス期やバロック期の大作曲家たちはたくさんリコーダーのための作品を残しています。
 にもかかわらず、リコーダーに教育用楽器の印象が強いのは、歴史的にいったんはこの楽器が廃れてしまったからでしょう。18世紀中期に横笛のフラウト・トラヴェルソ(現代のフルートの前進)が広まると、リコーダーは表舞台からいったん姿を消します。フルートがオーケストラに定位置を獲得したのとは対照的です。しかし、20世紀に入ると古楽復興運動が起き、リコーダーは復活を果たしました。フランス・ブリュッヘンのような世界的名奏者(後に大指揮者となりました)も誕生し、多くのレパートリーが発掘されて、古楽の世界はぐっと豊かになりました。
 能楽師で一噌流笛方の一噌幸弘さんは、リコーダーの名手でもあります。なにしろ1981年の全日本リコーダー・コンクールで最優秀賞を受賞しているほど。超絶技巧で彩られた前代未聞の「ドナドナ」には驚きました。まさかの6本同時演奏から、循環呼吸まで。キレッキレの高速パッセージも鮮やか。神技連発に唖然とするばかりでした。

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