今週は高嶋ちさ子さんが、大作曲家たちに次々と「ダメ出し」をしてくれました。高嶋さんによれば、作曲家は「ダメ男だらけ」。いやー、これには参りました。
まず、やり玉に挙げられたのはベートーヴェン。コーヒーを入れるためにいちいち豆の数をきちんと数えていたという逸話は、当時の資料にも記録されています。コーヒー好きなら気持ちがわかる!? でも、これを「粘着質」とズバッと切るのが高嶋さん。
あの有名な「運命」のエンディングも「しつこすぎる」ということで、大幅にカットされてしまいました。そう、「運命」って、なかなか終わらない曲なんですよね。「そろそろ、終わるのかな?」と思わせておいて、また盛り上げる。「今度こそ、終わるかな?」と思うと、やっぱり終わらない。そうやって何段階もクライマックスを積み上げていくところがこの曲の魅力だと思うのですが、「昔の人はヒマだったから」と一刀両断されてしまいました。笑。
ドイツ音楽におけるベートーヴェンの後継者ブラームスも、高嶋さんによれば「粘着質なところも受け継いでしまった」。クララへの想いを曲に込めたり、作品完成に時間がかかったりしてしまったり、ブラームスって純粋さゆえに決して器用な人ではなかったんでしょうね。交響曲第1番にひそかに込められた「クララへのあいさつ」、すごく素敵な着想だと思うのですが、こういうのって女性の側から見ると、ドン引きしたりするんでしょうか……。
最後はチャイコフスキーも「ダメ出し」されてしまいました。チャイコフスキーが自由に作曲活動に打ち込めたのは、大金持ちのメック夫人に長年経済的に援助してもらったおかげ。しかしメック夫人が資産の一部を失って援助を打ち切ると告げると、チャイコフスキーはすっかり失望し、ふたりの信頼関係は壊れてしまいます。お金でつながる人の縁って、難しいものですね。
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高嶋ちさ子のわがまま音楽会~粘着質な作曲家にダメ出し編
投稿日:2019年01月19日 10:30
コメント
クラシック初心者です。
題名のない音楽会を通して、作曲家の曲に込めた想いなどを知り、さらに音楽を楽しめるようになりました。
毎週しあわせな時間をいただいています。
ありがとうございます。
今回はちさ子さんの言葉の強さが前面に出された、まさにメッタ斬り。
ちょっと心が痛かった。
飯尾さんの「音楽の帰り道」を読んでホッとしました。