今週は恒例の「フィギュアスケートの音楽会2018」。本来であれば録音に合わせて選手が演技するところを、逆に選手が演技する映像に合わせて生演奏をするというのが、この音楽会のおもしろさ。音楽にクローズアップすることで、フィギュアスケートの演技が一段とドラマティックに感じられたのではないでしょうか。選手の動きと音楽の表情がどんなふうに結びついているのか、といったことをつい考えながら見てしまいます。
羽生結弦選手によるショパンのバラード第1番を演奏したのは関本昌平さん。2005年のショパン国際ピアノコンクールで第4位を獲得するなど、輝かしいコンクール歴を誇る実力者です。生演奏であるにもかかわらず、映像に音楽を同期させなければならないという特殊な条件での演奏でしたが、関本さんはこれを「他の楽器とアンサンブルをしている感覚」と表現してくれました。これには納得。しかも音楽の流れに無理がないのはさすが。脱帽するほかありません。
ザギトワ選手の「ドン・キホーテ」はバレエの定番曲。作曲者のミンクスはこの「ドン・キホーテ」をはじめ、「ラ・バヤデール」などバレエ音楽の名曲で知られています。これらは演奏会用のレパートリーというよりは、実際に劇場で踊るための音楽といっていいでしょう。そんな踊りのための音楽と、フィギュアスケートの相性はばっちり。あらためて、バレエとフィギュアスケートの親和性を強く感じました。
ゲストの村上佳菜子さんが演技した映画「マスク・オブ・ゾロ」の音楽は、ジェームズ・ホーナーの作曲。ジェームズ・ホーナーは映画「タイタニック」の音楽でアカデミー賞を受賞するなど、数多くのハリウッド映画で活躍しました。村上さんののびやかで躍動感あふれる演技と、ダイナミックで雄大な音楽が見事に調和していたと思います。
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フィギュアスケートの音楽会2018
投稿日:2018年12月01日 10:30
コメント
昨年は、みなとみらいホールで見たフィギュアスケートの音楽会2018。羽生結弦さんのオリンピックで見せた演技の音楽が、切なく胸に迫りました。村上佳菜子さんの「マスクオブゾロ」。映画音楽と迫真の演技が相まって、身体がうずうずしました。浅田真央さんの「月の光」。真央さんならではの繊細の手の演技が、やさしい月の光をもたらす月の女神のようにも見えました。スケート界の新星の登場が相次ぐ中、また、来年もこの企画をお願いします