今週は世界的なスーパースター、イル・ディーヴォのみなさんをお招きしました。イル・ディーヴォは2004年のデビュー以来、全世界で3000万枚以上のアルバムセールスを記録した男声ヴォーカル・グループ。日本での人気もすさまじく、客席には歓声が盛んに飛び交い、普段の収録とは会場の雰囲気がずいぶん違っていました。格調高い東京オペラシティ・コンサートホールの空間に、いっそうの華やかさが加わったように感じます。
イル・ディーヴォの4人の声が調和して生み出す輝かしさ、情感の豊かさは他に類を見ないものだと思います。そして、4人それぞれが異なる声のキャラクターを持っているところも大きな特徴といえるでしょう。デイヴィッドの軽やかで伸びのある高音、カルロスの深みのある力強いバリトン、セバスチャンの表現力豊かで甘い声質、ウルスのリリカルで端整な歌唱スタイル。それぞれのソロの部分も大変聴きごたえがあります。
イル・ディーヴォのようなオペラ的な歌唱をベースとした男声ヴォーカル・グループの先駆けとなったのは、1990年のワールドカップ・イタリア大会を機に結成された三大テノールだと思います。プラシド・ドミンゴ、ルチアーノ・パヴァロッティ、ホセ・カレーラスというオペラ界のビッグスターが一堂に会してコンサートを開くという革新的なアイディアは、音楽界に大きな驚きをもたらしました。本来オペラにはテノールの三重唱などという場面はめったにありませんが、彼らは男声ソリストによる重唱がどれほどゴージャスでリッチな響きを生み出すかを教えてくれました。イル・ディーヴォはそんな三大テノールを、よりポップな傾向に発展させたアンサンブル重視のヴォーカル・グループだと言えるでしょう。
それにしても、石丸さんとイル・ディーヴォの共演が実現するとは! あまりにも違和感がなさすぎてびっくりしました。
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世界を魅了するイル・ディーヴォの音楽会
投稿日:2018年07月07日 10:30
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