普通だったら絶対に共演しないようなアーティストが、いっしょになってひとつの作品を生み出す。刺激的ですよね。今週の「ジャンルを超えた仲間たちの音楽会」では、異ジャンルのアーティストたちが集った、ふたつのユニットに登場していただきました。
この両ユニットは10年以上にわたってコラボレーションを継続しています。ジャンルを超えるコラボレーションというと、一回性のものはたくさんあるのですが、こうしてずっと続いている例は決して多くはありません。
ひとつめはピアノの上原ひろみとタップダンスの熊谷和徳。ピアノとタップダンスとは、相当に意外性のある組み合わせです。最初はタップダンスにピアノで音楽の伴奏が付くのかなと思いましたが、実際に目にするとそう単純なものではないことがよくわかります。タップダンスが一種のリズム楽器のように機能して、ピアノと対話をくりひろげます。タップダンスが音楽的であると同時に、ピアノにもどこかダンスの要素が感じられて、音楽とダンスの境界線が見えなくなってくるような一体感が印象的でした。
もうひとつは古武道。チェロの古川展生、ピアノの妹尾武、尺八の藤原道山、三人の名前から一文字ずつを取って「古武道」と名付けられました。これほどジャンル違いの音楽家たちが10年以上にわたって活動を続けていることには驚かずにはいられません。
本来ならフル・オーケストラを必要とするラフマニノフのピアノ協奏曲第2番を、3人で演奏するというアイディアがおもしろかったですよね。原曲が持つロシア流の濃密なロマンティシズムに代わって、清涼感のあるサウンドや、トリオならではの親密な雰囲気が生み出されていました。既存の曲から新しい魅力を引き出す。こういった大胆な編曲も、異ジャンル・コラボレーションの醍醐味といえるでしょう。
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ジャンルを超えた仲間たちの音楽会
投稿日:2018年02月03日 10:30
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