三ツ橋敬子さんの指揮ぶり、すてきでしたよね。オーケストラの指揮者といえば、かつては男性だけの職業のように思われていたかもしれませんが、それも今や過去の話になりつつあります。三ツ橋さんをはじめ、オーケストラの指揮台に女性が立つことはそれほど珍しいことではなくなってきました。世界を見渡してみても、ベルリン・フィルにたびたび客演するエマニュエル・アイムをはじめ、スザンナ・マルッキ、シモーネ・ヤング、アロンドラ・デ・ラ・パーラなど、数多くの女性指揮者が活躍しています。
歴史的にいえば、クラシック音楽の世界は長らく男性中心の社会でした。たとえば、教科書に載るような大作曲家は男性ばかり。女性作曲家はどこにいるのでしょう?
その先駆けとしてしばしば名前が挙げられるのがクララ・シューマンです。大作曲家ロベルト・シューマンの奥さんですね。クララは少女時代より、天才ピアニストとしてヨーロッパで名声を獲得していました。ロベルトと交際している時点では、クララのほうがずっと有名人でしたので、父フリードリヒ・ヴィークはふたりの結婚に猛反対しました。「そんなどこの馬の骨ともわからん男に娘はやれん!」ということなんでしょう。激しい法廷闘争まで経た末に、ようやくクララとロベルトは結婚にたどり着きました。
しかし、そんなクララも作曲家として大成することはできませんでした。作品を書いてはみたものの、まだまだ社会に女性作曲家を受け入れる土壌がなかったといえるでしょうか。
クララ・シューマンのほかにも、本日ご紹介したリリ・ブーランジェなど、歴史に名を残した女性作曲家は少ないながらも存在します。今後、彼女たちの埋もれた作品に光が当たることもあるかも……。
もちろん、現代では女性作曲家はまったく珍しくはありません。いまクララ・シューマンが生きていたら、思う存分、作曲の才を発揮していたことでしょう。
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女性指揮者の音楽会
投稿日:2016年12月11日 09:30
コメント
凛としてとてもかっこよかったです。世界各地で活躍なさっている日本人の女性指揮者は 他にもおられますよね。リストも一目置いていたというクララ・シューマンの曲素敵でした。
やったー、ようやく私の意見が実現して嬉しいです。実現してくれてありがとうございます。とても新鮮でした。また、一回で終わりにしないでまたこの同じ「女性」シリーズをもっとやってほしいです。そろそろ、クリスマス・ソングが流れる季節になってきたので、流行ソング(例えば、マライア・キャリーとか)の方ではなく、古典ソング(例えば、きよしこの夜など)をぜひ題名のない音楽会の企画でやって欲しいのが私の願いです。
松尾葉子さんの名前が挙がりませんでしたが、不思議ですね。