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武満徹の魅力を語る音楽家たち

投稿日:2016年10月02日 09:30

作曲家のなかには、生前名声を誇っていても没後急速に忘れ去られてゆく人と、亡くなっても変わらず作品が演奏され続ける人がいます。
 前者の例は、モーツァルトのライバルとして知られるサリエリ。生前はモーツァルトをしのぐ権勢を誇りましたが、現在彼の作品が演奏されることはまれです。オペラ作曲家マイヤベーアも、存命中はヨーロッパ中に名声をとどろかせましたが、今その作品が上演されることはめったにありません。
 武満徹は後者のタイプです。1996年に世を去った後も、世界中で武満作品は演奏され続けています。佐渡裕さんが2011年にベルリン・フィルの定期演奏会に招かれた際に、ショスタコーヴィチと並んで指揮したのは武満徹の「フロム・ミー・フローズ・ホワット・ユー・コール・タイム」。30分近くある大きな作品です。
 日本人だけではなく、欧米の演奏家もすでに20世紀の古典として武満作品を演奏しています。その意味では、武満作品は「クラシック音楽」の仲間入りを果たしたといってよいでしょう。
 武満徹はシリアスなオーケストラ作品のみならず、ギター曲や歌、映画音楽でも親しまれています。本日の「武満徹の魅力を語る音楽家たち」では、谷川俊太郎さん、渡辺香津美さん、鈴木大介さんといった、ゆかりの方々が武満徹の魅力を語ってくださいました。
 特に印象的だったのは谷川さんによる武満徹の人物評。ご自身の詩による「死んだ男の残したものは」について語る場面で、「武満ってもっと軽やかで明るいんですよね、人間もそうですし」とおっしゃっていました。少し意外な感じがしました。
 今年没後20年を迎えて、武満徹の作品は各地のコンサートで盛んに演奏されています。節目の年を機に、改めて武満作品の魅力に気づかされたという方も少なくないのではないでしょうか。

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