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神童たちの音楽会2016

投稿日:2016年05月01日 09:30

この子たちはいったいなにが普通の子と違うのだろう、天賦の才なのか、努力の賜物なのか……。神童と呼ばれる幼い音楽家たちを前にすると、ついそんなことを考えてしまいます。
 今回の「神童たちの音楽会2016」では、そんな時代を担う俊才たちに集まっていただきました。チェリストのNanaさんは今年すでに日本でCDデビューを果たして注目を集めています。欧陽菲菲の姪とあって話題性も抜群ですが、フィラデルフィアの名門カーティス音楽院に13歳で入学したというのですから、並大抵のことではありません。
 中村紘子さん推薦の谷昂登さんは12歳。目をつぶって聴けばとても少年が弾いているとは思えないような、大人びたショパンを演奏してくれました。のびのびとして表情豊かな音楽で、オーケストラと共演したのが初めてとは思えません。龍さんがおっしゃっていたように、音楽への愛があふれているんですよね。
 徳永二男さん推薦の山本遥花さんは、なんと9歳。堂々とクライスラーを弾ききってくれました。演奏も立派ですが、ステージ上で物怖じしないことに驚かされます。演奏後には「沼尻さんが合わせてくださったので弾きやすかったです」と一言。協奏曲を演奏した後にソリストが指揮者を称えるのはよく見かける光景ですが、まさか9歳の女の子からその一言が発せられるとは!
 最後は「元神童」を代表して、上原彩子さんによるベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番をお聴きいただきました。上原さんは中村紘子さんをして「日本の戦後最大の天才児」と言わしめた才能の持ち主。一般に神童というと、その稀有な才能ゆえに大人になる段階で困難な道をたどることも少なくないような印象がありますが、上原さんは成熟した大人の音楽家として健やかに才能を開花させた存在といえるのではないでしょうか。神童たちにエールを送る大人の音楽家として、これほどふさわしい方はいないでしょう。

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