今回の「世界の吹奏楽を知る音楽会」では、アメリカ、イギリス、日本の吹奏楽を代表する作曲家たちの名曲が演奏されました。演奏は大井剛史さん指揮の東京佼成ウインドオーケストラ。すばらしい演奏でしたよね。豊麗なサウンドと精妙なアンサンブルが、作品の真価を知らしめてくれたように思います。
アメリカのアルフレッド・リードは日本でも非常に人気が高く、最晩年までくりかえし日本を訪れて、精力的に活動していました。「音楽祭のプレリュード」はかつて全日本吹奏楽コンクールの課題曲にもなったこの分野の古典。輝かしいファンファーレが気分を高揚させます。
イギリスからはフィリップ・スパークの作品を。この「ドラゴンの年」、なぜドラゴンかと思ったら、ウェールズのブラスバンドの100周年記念委嘱作品として書かれた(後に吹奏楽用に編曲)ということで、ウェールズ国旗の赤いドラゴンにちなんでいたんですね。ウェールズはイギリスの一部ですから普段のニュースで国旗を目にする機会はあまりありませんが、サッカーなどではウェールズ代表がこの国旗を掲げて出場します。昨年のEURO2016ではウェールズ代表が旋風を巻き起こしましたので、そこで赤い竜が描かれたウェールズ国旗をご覧になった方も多いかもしれません。
フィリップ・スパークも日本との縁が深い作曲家です。以前、来日した際のインタビューでは「日本以外の国で、軍楽隊を除くプロの吹奏楽団はほとんど見当たらないし、吹奏楽のコンサートで大ホールの客席が埋まることもまずない」と語っていました。この日の演奏の東京佼成ウインドオーケストラもそうですが、日本のようにプロの吹奏楽団が存在して、それが大勢のお客さんを集めているということは、本当にすごいことなんですよね。
おしまいは日本の作曲家、真島俊夫作曲の「地球 – 美しき惑星」が演奏されました。組曲「惑星」を書いたホルストへのリスペクトが伝わってくるような、生気にあふれた音楽でした。
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世界の吹奏楽を知る音楽会
投稿日:2017年03月12日 09:30