月別アーカイブ

  • mixiチェック

ゲーム音楽を和楽器で奏でる音楽会

投稿日:2026年01月10日 10:30

 今週は三味線奏者の本條秀慈郎さんら精鋭たちが集った日本の伝統音楽演奏家集団J-TRAD Ensemble MAHOROBAの演奏で、ゲーム音楽の名曲をお楽しみいただきました。ゲーム音楽と日本の伝統音楽の組合せは一見、不思議に思えますが、本條さんは「歌による言葉で語る」日本の伝統音楽と、音楽が物語の背景を支えるゲーム音楽は、相通じるところがあると言います。
 今回、とりあげられた「ファイナルファンタジーXIII」「クロノトリガー」「ファイナルファンタジーVII」は、90年代から00年代にかけてリリースされたロールプレイングゲームの名作です。オリジナルを遊んだ方もいれば、リメイク版で知ったという方も大勢いることでしょう。ゲーム本編のみならず、その音楽も長く聴き継がれています。
 和楽器で演奏すると、どんな音になるのか、実際に聴くまではまったく想像がつきませんでしたが、思いのほか明るく華やかな響きが生み出されているのには驚きました。丁々発止のアンサンブルはスリリング。とてもフレッシュな音楽になっていたと思います。
 浜渦正志作曲「ファイナルファンタジーXIII」より「閃光」では、プレーヤーを鼓舞するような尺八と、エネルギッシュな三味線、色彩的な箏が戦闘シーンの躍動感を表現していました。
 光田康典作曲「クロノトリガー」より「風の憧憬」では新しい擦弦楽器「近江胡弓」を使用して、ノスタルジーを喚起します。タイムトラベルを能楽の手法で表現したという冒頭部分はカッコよかったですよね。同じく「クロノトリガー」より「時の回廊」では、さまざまな楽器がテーマをくりかえします。透明感が感じられる編曲でした。
 植松伸夫作曲「ファイナルファンタジーVII」の「片翼の天使」は名曲中の名曲。決戦の音楽ということで、力強く緊迫感にあふれたサウンドがくりひろげられます。荘厳さが際立っていました。

飯尾洋一(音楽ジャーナリスト)

  • mixiチェック

フォトギャラリー

フォトギャラリーを詳しく見る≫