「オーケストラと夢をかなえる音楽会~夢響2019」、今年も個性豊かな参加者たちがオーケストラとの共演という夢を果たしました。全749組の応募から選ばれたのは6組のみ。昨年も感じたのですが、リハーサルがない一発勝負にもかかわらず、みなさん本当に舞台を楽しんでいらっしゃるんですよね。満員の客席を前にステージに立って、生まれて初めてオーケストラと共演する。これは相当な緊張をもたらすシチュエーションだと思うのですが、そんなプレッシャーを軽々とはねのけてしまうのがすごい!
テューバの渡部和さんが舞台裏でオーケストラのテューバ奏者、田村優弥さんから連絡先を渡されるという一幕がありましたが、この「夢響」をきっかけに、プロからレッスンを受けるチャンスがあるのかも!? 柄澤円香さんの伸びやかなシュターミッツのフルート協奏曲、林成さんの物怖じしないハイドンのチェロ協奏曲、髙橋哲人さんとモシ村マイコさんがほうきギターとはたきドラムで披露した創意と夫婦愛、山﨑世知留さんとZaChooさんのスタイリッシュな「ミッション:インポッシブル」、歌う喜びが全身から伝わってくる後藤素子さんの「水に流して」、いずれも「もっと聴きたい」という気持ちにしてくれる音楽でした。
今回は6組のなかでも、もっとも見る人の心を震わせた参加者のために「スペシャル・ドリーマー賞」が設けられました。受賞者は髙橋哲人さんとモシ村マイコさん。オーケストラと共演するという夢が叶った、でもその先に続く夢の第二章は?……ということで用意されたのが、日本を代表する名手たちとの共演。世界的指揮者山田和樹指揮のもと、夢響審査員をはじめそうそうたる音楽家たちとのアンサンブルが実現しました。サントリーホールの舞台に鳴り響く、ほうきギターとはたきドラム。この意外性は最高ですね。オリジナリティが爆発していました。
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オーケストラと夢をかなえる音楽会~夢響2019 夢のあとさき編
オーケストラと夢をかなえる音楽会~夢響2019 オーディション編 後編
今週は前回に引き続いて、「オーケストラと夢をかなえる音楽会 夢響2019」のオーディションの模様をお届けいたしました。これで全749組の参加者のなかから、本番に進出する6組が決定いたしました。前回もそうでしたが、選ばれなかった方のなかにも魅力的な音楽を奏でる参加者がたくさんいらっしゃるんですよね。できることならもっと多くの方々にオーケストラと共演してほしい! そう思わずにはいられません。
今回、大阪会場から選ばれたのは、マリンバ&ヒューマンビートボックスの異色のコンビ、山﨑世知留さんとZaChooさん。おふたりともお若いのですが、山﨑さんが16歳、ZaChooさんが20歳という高校生と大学生のコンビです。マリンバとヒューマンビートボックスを組み合わせる発想が斬新です。見ようによっては、一種の打楽器のデュオとも言えますね。
さらに大阪からは小学4年生でチェロを弾く、林成さんも本番へと進みました。オーディションで弾いていたのは、ハイドンのチェロ協奏曲第1番。のびやかで自然体の音楽が印象に残りました。ふだんはお父さんのピアノに伴奏してもらっているそうですが、本物のオーケストラと共演するとどうなるのか、楽しみです。
福岡会場から選ばれたのは、エディット・ピアフを歌った後藤素子さん。芯のあるパワフルな歌唱は、伴奏なしでも聴く人に訴えかける力を持っていました。ここにオーケストラが加わったら、どんな相乗効果が生まれるのでしょうか。
以上の3名に、先週オーディションの模様をお伝えしたテューバの渡部和さん、フルートの柄澤円香さん、ほうきギター&はたきドラムの髙橋哲人さん&モシ村マイコさんを加えた計6組が、いよいよ本番のステージに出演します。その模様は10月20日(日)あさ10時からの「題名のない音楽会スペシャル オーケストラと夢をかなえる夢響2019」でお届けいたします。夢の舞台にご期待ください!
オーケストラと夢をかなえる音楽会~夢響2019 オーディション編 前編
昨年に引き続き、今年も「夢響」が開催されます。オーケストラと共演するチャンスはプロの音楽家にとっても限られた機会。ピアノやヴァイオリンなどの音楽コンクールでは、よくファイナルに進んだ参加者がオーケストラと共演しますが、そこではじめて実際にオーケストラと共演する人もいるほど。夢の舞台を目指して、今年は全国6会場でオーディションが開かれました。
この「夢響」では、応募者全員がオーディションに参加することができます。今年は昨年の倍以上となる749組もの応募がありましたので、選考にもいっそう熱が入りました。特に東京会場は参加者が多かったので、オーディションが二日間にわたって開かれるほどの盛況ぶり。
なにしろ楽器不問、ジャンル不問の「夢響」ですので、どんな楽器が登場するのかも見どころのひとつ。オーソドックスな楽器だけではなく、昨年のように段ボール箱やオカリナなど、予想外の楽器がオーディションを通過することもありえます。審査基準は熱意。この人がオーケストラと共演するところを見たい!と審査員に思わせられるかどうかがカギでしょうか。技術的な水準で合否が決まるわけではありません。みなさん、楽しそうなのがいいですよね。
最終選考に進出したのはフルートの柄澤円香さん、ほうきギター&はたきドラムの高橋哲人さんとモシ村マイコさん、ギターの染谷生士さん、ヴィオラの渡邉望さん、テューバの渡部和さんの5組。みなさん、それぞれに音楽への愛情が伝わってくるようなパフォーマンスだったと思います。ほうきギターは自作なんだとか。エアギターではなく本当に弾けるほうきギターという発想は秀逸です。ヴィオラやテューバといった、ふだんは主役を務めない楽器が健闘しているのも印象的でした。オーケストラとの共演が実現したら、どんな音楽を奏でてくれるんでしょうね。次週、後編の結果発表が楽しみです。
題名のない音楽会55周年!令和スペシャルコンサート
「題名のない音楽会」がスタートしたのは1964年のこと。放送開始から55周年を記念して、世界的に活躍する日本の音楽家たちを招いたスペシャルコンサートが開催されました。
ピアニストの藤田真央さんは、先頃、20歳でチャイコフスキー国際コンクール第2位を獲得して大きな話題を呼んだ逸材。2017年にクララ・ハスキル国際ピアノ・コンクールで優勝を獲得するなど、藤田さんの名はかねてより音楽界では知られていましたが、やはり世界最高峰のチャイコフスキー国際コンクールでの第2位ともなると、メディアの扱いの大きさが違ってきます。まもなく世界的巨匠ヴァレリー・ゲルギエフ指揮マリインスキー歌劇場管弦楽団と共演してロンドン・デビューを果たすそうですが、今後ますます国際的な活躍をくり広げてくれることでしょう。
ベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」で藤田さんと共演したのは山田和樹指揮55周年祝祭オーケストラ。このオーケストラのメンバーにも主要コンクールで上位入賞を果たした日本を代表する名手たちがそろっています。今、日本のクラシック音楽界では若く優秀な演奏家が次々と頭角をあらわしてきており、本当に層が厚くなったと感じずにはいられません。藤田さんのみずみずしく伸びやかなソロと、弦楽器の豊麗なサウンドが一体となっていました。ピアノを離れたときの藤田さんの飄々とした語り口も、演奏姿とはギャップがあって、とても印象的でしたよね。
野田洋次郎作曲のアニメ音楽「天気の子」より「グランドエスケープ」と、坂本龍一作曲の映画「戦場のメリークリスマス」より「Merry Christmas Mr.Lawrence」は、ともに映画から発信された日本の音楽。これらを西洋楽器と和楽器のコラボレーションでお届けしました。異なる文化から生まれた楽器と音色が、無理なくひとつに融合していたのではないでしょうか。