今週はフランスのナントからクラシックの音楽祭「ラ・フォル・ジュルネ」の模様をお届けいたしました。5月の連休中に日本でも開催される「ラ・フォル・ジュルネ」ですが、発祥の地はナント。この音楽祭は音楽プロデューサーのルネ・マルタンさんが創設したもので、従来のクラシックの音楽祭とはまったくスタイルが異なります。短時間で低料金の公演が、朝から深夜まで複数の会場で同時並行で開催されます。格式ばった音楽祭ではなく、だれもが気軽に足を運べるカジュアルな音楽祭なのです。
「ラ・フォル・ジュルネ」という名前を日本語に訳せば「狂った一日」。これはモーツァルトのオペラ「フィガロの結婚」の原作のタイトルに由来します。「フィガロの結婚」には貴族階級への批判が込められています。「一部のエリートのためではなく、みんなのためのクラシックの音楽祭」を目指したマルタンさんの狙いが、音楽祭の名称にも反映されているんですね。
ナントのメイン会場はシテ・デ・コングレ。約2000人収容の大ホールのほか、大小の講義室や会議室がいくつもあります。東京・有楽町のラ・フォル・ジュルネに足を運んだことのある方は、番組を見て「あれ、なんだか東京国際フォーラムと雰囲気が似ているな」と感じたかもしれません。実際に行ってみると、本当によく似ています。おなじみの八角形の赤いステージもあって、一瞬、有楽町にいるのかと錯覚しそうになるほど。
「ラ・フォル・ジュルネ」は万人向けのフレンドリーな音楽祭ですが、中身はあくまで本格派。わかりやすい曲だけを並べるなどといったことは決してしません。有名曲と並んで知られざる作品も多数あります。ギドン・クレーメルが演奏したカンチェリの作品もそのひとつ。挑戦的なプログラムを平気で組むのですが、こんなプログラムでも客席はほぼ満席。むしろ、未知の音楽との出会いが歓迎されているような雰囲気がありました。
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世界最大級!クラシックの音楽祭を知る休日
投稿日:2018年04月21日 10:30
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