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東京藝術大学を知る休日

投稿日:2017年06月11日 09:30

ノンフィクション『最後の秘境 東京藝大』(二宮敦人著/新潮社)が話題の本になるなど、いま東京藝大への関心が高まっているようです。東京藝大といえば石丸幹二さんの母校。今週と来週は「東京藝大を知る休日」として、日本の芸術教育の最高峰にある東京藝大を特集します。
 東京藝大には、やはり特別な大学という印象があると思います。国立大学なのに芸術大学というのも特別ですし、一般的な音大とはちがって美術学部がいっしょになっているところや、器楽科や作曲科だけではなく邦楽科があるなど、ほかに例のない大学であることはまちがいありません。
 そして、なにより難関であることも大きな特徴でしょう。ゲストの上野さんが、藝大を目指した理由として「いま活躍している人たちのプロフィールを見ると、だいたい東京藝大卒と書いてあった」と語っていましたが、この大学には才能にあふれる若者たちが集まり、日々切磋琢磨しています。藝大なくして日本のクラシック音楽界は成立しないといっても過言ではないでしょう。授業の風景が映っていましたが、短い映像からも学生たちのレベルの高さが伝わってきました。先生たちもすごければ、学生たちもすごい!
 授業といえば、一般大学と大きく異なるのが少人数教育を主とするという点でしょうか。ひとりの先生に対して学生が少数であるのみならず、マンツーマンの指導も行われています。映像ではベートーヴェンのピアノ協奏曲の独奏パートを学生が、オーケストラ部分をピアニストの迫昭嘉先生が弾いて、レッスンをする光景がありました。楽器のレッスンとは本来そういうものなのでしょうが、大学教育としては実にぜいたくな環境ですよね。
 近年、世界を舞台に活躍するすぐれた日本の演奏家が次々と誕生していますが、その背景には質の高い教育環境があるのだと納得できました。

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