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名前を覚えてもらえない作曲家の音楽会~この人も学校で習ったのに編

投稿日:2024年08月17日 10:30

 曲は知っているけど、作曲家の名前は出てこない。よくあることですよね。今週は、そんな気の毒な作曲家たちの名前を覚えてもらうための好評企画第3弾。小中学校の教科書に登場する曲から選んだ5曲をみなさんに聴いていただき、作曲者名をお尋ねしました。
 ハンガリー舞曲第5番を聴いて、作曲者がブラームスだと答えてくれたのは50人中8人。少ないといえば少ないですが、なかなか健闘しているとも言えるのでは。オーケストラのコンサートではよくアンコールで演奏される曲です。
 「ペールギュント」第1組曲から「山の魔王の宮殿にて」の作曲者は、ノルウェーのグリーグ。50人中6人がグリーグの名前を答えてくれました。この曲はテレビドラマや映画、スポーツシーンなどでもよく使われます。緊迫感があり、だんだんと曲調が激しくなってくるのは、これがピンチの場面を描いた音楽だから。主人公ペールが山奥で出会った女性に求婚したところ、なんと、その父親は山の魔王(トロールの王)。結婚を許すから人間をやめてトロールになれと命じられて、慌てて逃げ出す場面の音楽です。
 オペラ「カルメン」は名曲の宝庫。今回は「前奏曲」をとりあげましたが、ほかにも「闘牛士の歌」や「ハバネラ」などもよく知られています。作曲者ビゼーの名を答えてくれたのは50人中5人のみ。
 オペラ「トゥーランドット」から「誰も寝てはならぬ」が日本で広く知られるようになったのは、2006年トリノオリンピックのフィギュアスケートがきっかけです。荒川静香さんの金メダル獲得が大きな話題になり、その際に使用されていた「誰も寝てはならぬ」は一躍人気曲になりました。作曲者プッチーニの名を答えられたのは50人中3人。意外と少ないですね。
 おしまいは運動会の名曲、「クシコスポスト」。作曲者ネッケの名を答えられた人はひとりもいませんでした。これは無理もありません。ネッケが話題になることはまずないこと。教科書に名前が出ているにもかかわらず、だれもよく知らないという点で、ネッケにかなう人はいません。

飯尾洋一(音楽ジャーナリスト)

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