フィギュアスケートの美しい演技に欠かせないのが音楽。今週は「フィギュアスケートの音楽会」をお届けいたしました。
本来、フィギュアスケートでは録音された音楽に合わせて選手たちが演技をするわけですが、番組内ではその逆、つまり選手たちの演技に合わせてライブで音楽家たちが曲を演奏しました。これは新鮮ですよね。音楽の持つ力が一段と伝わってきました。
フィギュアスケートで人気のある作曲家といえば、ピアソラやファリャ、プッチーニ、ラフマニノフ、チャイコフスキー等々。リズミカルで躍動感のある曲や、ロマンティックで抒情的な曲、民族的な色彩の豊かな曲が好まれるようです。演技用に原曲をカットしたり、複数の曲をつなぎ合わせることもしばしば。ときどき、どうしてそこをつなぐんだろう?と不思議に感じることもあったのですが、荒川静香さんのお話を聞いて、競技者の視点から見た滑りやすい編集がありうるのだなと思い至りました。
トリノ・オリンピックで「トゥーランドット」を用いた荒川静香さんの演技を見ると、あのときの感動がよみがえってきます。プッチーニ作曲のオペラ「トゥーランドット」の名アリア「だれも寝てはならぬ」は、荒川さんの金メダルをきっかけに、あっという間にだれもが知る名曲の仲間入りを果たしました。もともとこの曲は、ワールドカップの前夜祭で三大テノールが歌うなど、スポーツシーンで親しまれていた名曲なのですが、日本で爆発的に広まったのは荒川さんのおかげです。
余談ですが、この「だれも寝てはならぬ」は、意外な後日譚があります。オリンピックで使用された録音でヴァイオリンを弾いてたのは、ヴァネッサ・メイというシンガポール生まれの女流奏者。ジャンルを超えた幅広い活動で一世を風靡しました。驚いたのは2014年のソチ・オリンピックのこと。なんと、ヴァネッサ・メイはアルペンスキーのタイ代表選手として大会に出場したのです! 世界的に名の知られたヴァイオリニストがオリンピック選手になるなんて、もう二度とないことでしょうね。
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フィギュアスケートの音楽会
投稿日:2016年12月04日 09:30
コメント
今回の放送は周囲のフィギュアスケートファンの方々にもお勧めしました。違った角度でフィギュアスケートを楽しめたようです。素敵な企画ありがとうございます。そして演奏家として活躍しながらオリンピック選手とはすごい才能をお持ちなんですね。それにしても荒川静香さん相変わらずお綺麗でした。
今回もすばらしかったです。音楽を体で感じて選手たちが表現されているのがよくわかりました。
荒川さんの時の龍君のバイオリンがすばらしくて、荒川さんの演技も改めて印象に残る名演技に感じることができました。
フィギュアスケートと音楽のきってもきれない関係について考えさせられました。
人が美しく見える瞬間は様々な時の流れの狭間にやっと見つかるものですね。フィギュアスケートは厳しく美しい世界ですね。その美しい瞬間を目の当たりにできるようで、いつも逃さないよう観てしまいます。音楽もまた同じだと思います。だからいつも逃さないよう耳を澄まして聴いてしまいます。美しいものを美しい瞬間を求めて、ここに居るのかもしれません。色即是空 空即是色の世界観にも繋がる気がしました。魂のこもった美しい演奏演技で繋がる世界、感動的でした。次回も楽しみです。