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指揮者のわがまま音楽会

投稿日:2016年02月21日 09:30

指揮者のわがままって、いったいなんだろう……と思ったら、こういうことだったんですね。ノーリハーサルでの本番、楽団員の暗譜演奏、バラバラの楽器配置、楽団員が歌って演奏。どれも実際のコンサートではまずありえないようなことばかり。でも指揮者の山田和樹さんのお話を聞くと、音楽的な狙いがあってのことと知って納得しました。
 ノーリハーサルで演奏してくれたのはプロコフィエフの「古典交響曲」の第3楽章。自在にテンポを動かしながら、強弱の表現もはっきりと付けた演奏でした。リハーサルがなくても、指揮のテクニックだけでこれだけ音楽を作ることができるとは。リハーサル嫌いの歴史的大指揮者クナッパーツブッシュも、こんなふうに指揮をしていたのでしょうか。
 楽団員の暗譜演奏にもびっくりしました。指揮者で暗譜をする方は決して珍しくはありませんが、楽団員が暗譜で演奏する姿を見たのは初めて。譜面台がないと、ずいぶんオーケストラの景色が違って見えます。なにかさっぱりした感じ、とでもいいましょうか。暗譜のおかげなのでしょう、すこぶる精彩に富んだ「フィガロの結婚」序曲を聴くことができました。19世紀の名指揮者ハンス・フォン・ビューローが楽団員に暗譜を求めたのは、こんなスリリングな演奏を実現したかったからなのかもしれません。
 いちばん予測が付かなかったのは、楽器のバラバラ配置。近年、一般的なストコフスキ式の楽器配置を見直して、それ以前のヴァイオリンを両翼に分ける対向配置を復活させようというトレンドが一部にあるのですが、山田さんのアイディアはもっと過激で、楽器ごとにグループを作らないという自由配置でした。さすがに楽器間の音のバランスは保てなくなってしまいますが、普段とは違った響きが生まれてくるのがおもしろかったです。オーケストラは集団である以前に、ひとりひとりのプレーヤーたちの集まりなんだな、ということも改めて感じました。

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コメント

とても楽しかったです!学生時代の合唱の練習で、4パートがバラバラになって歌ったことがあり、それを思い出しました。近々ミニミニ演奏会があるのですが、暗譜できるよう頑張ろうと思っています。

とても楽しい音楽会でした。この番組ならではの企画ですね。会場での楽しい雰囲気がテレビを通じて伝わってくるようです。譜面代がないと美男美女の楽団員の皆様の表情や体全体を使っての演奏が垣間見れたようで新鮮でした。いずれのわがままも指揮者と楽団員との信頼関係がなければ出来ない事ですよね。素晴らしい絆だと感じました。

とても刺激的でした。こういうのもあるんですね。脳が活性化されたように感じました。それにしても山田さんの柔軟な発想はすごいですね。配置がバラバラの時はどうなるのだろうと思いましたが、きちんとまとめてしまう指揮者。たえず進化していてこれからも目が離せません。

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