今年生誕100年を迎えるレナード・バーンスタインは、作曲家としても指揮者としても活躍した音楽界の巨人でした。
多くのクラシック音楽ファンにとって、生前のバーンスタインは第一にスター指揮者だったと思います。カラヤンと双璧をなす巨匠として音楽界に君臨しました。ニューヨーク・フィルでの活躍の後、ウィーン・フィルとも緊密な関係を築き、カラヤンが率いるベルリン・フィルとはライバルのように見なされていました。かつてバーンスタインは一度だけベルリン・フィルの指揮台に招かれたことがあります。マーラーの交響曲第9番を指揮して語り草となる壮絶な名演を披露したところ、その後、なぜか二度とこのオーケストラから招かれることはなく、その理由についてさまざまな憶測が語られました。この逸話は昨年ベルリン・フィルが来日した際の記者会見でも話題に出たほどで、バーンスタインの存在感がいまだに大きいことをうかがわせます。
1990年にバーンスタインが亡くなった後は、次第に作曲家としてのバーンスタインに光が当てられるようになってきたように思います。もちろん、「ウエスト・サイド・ストーリー」や「キャンディード」といったミュージカル作品は以前より人気が高かったのですが、交響曲第1番「エレミア」、交響曲第2番「不安の時代」、オーケストラのためのディヴェルティメント等、シリアスな作品も次第に演奏頻度が高まってきました。とりわけ、生誕100年の今年は、彼の作品を聴く機会が多くなっています。
ただ、それでも上演の機会が限られているのが「ミサ」。昨年、井上道義さん指揮の大阪フィルが大阪のフェスティバルホールで上演したのが、日本国内では23年ぶりの演奏となりました(前回の指揮者も井上道義さんです)。バーンスタイン本人にとって特別な思い入れのある作品であるにもかかわらず、特殊な大編成を要するため、上演は非常に稀なこと。本日はそのごくごく一部をお送りしました。全曲では正味100分を超える大作。次の上演の機会が早く訪れることを願わずにはいられません。
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レナード・バーンスタインの音楽会
投稿日:2018年03月24日 10:30
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