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楽器を知る休日~ギター編

投稿日:2017年11月25日 10:30

今週はギターの村治佳織さん、マリンバの塚越慎子さん、ハープの山宮るり子さんの3人の音楽家をお招きしました。ギターとハープは弦をはじく撥弦楽器、マリンバは打楽器で、いずれも音が減衰するタイプの楽器。それぞれに似たところもあれば、違うところもあって、楽器事情の違いがおもしろかったですよね。
 こうして比べてみると、ギターの機動力は際立っています。塚越さんもおっしゃっていたようにギターは運搬が楽! しかもギター一台あれば、いろいろなジャンルの音楽が演奏できてしまいます。歴史のある楽器ですから、レパートリーは豊富。クラシックもポピュラー音楽も民族音楽も、さらには古楽も現代音楽も、全方位にわたって名曲がたくさん用意されている点で、ギターほど恵まれた楽器はほかにないかもしれません。
 マリンバは20世紀になってから発展した楽器ですので、この楽器のために書かれた古い音楽がありません。その分、新しい作品がたくさんあるという言い方もできるでしょう。多くの奏者たちが新作や編曲を依頼して、レパートリーを開拓してきました。大きな音から小さな音まで出せる幅広いダイナミズムを持つのが強み。オーケストラのなかに入っても、マリンバは埋没することなく存在感を放ちます。この点は音の小さなギターとは対照的です。
 ハープの場合、楽器そのものは古代からあることはあるのですが、現在のような半音階を演奏できるペダル・ハープが発達したのは比較的最近のことです。ペダルで半音階を操作する現在の原型といえるハープを19世紀初頭に発明したのは、フランスのエラールでした。エラールの名をピアノメーカーとしてご記憶の方もいるかと思いますが、あのエラール一族がハープの発展に貢献したのです。
 それにしてもハープに7つものペダルがあったとは。一見、優雅なハープの演奏姿ですが、足元はペダル操作に大忙し。「優雅に泳ぐ白鳥も水面下では必死に足を動かしている」という比喩を思い出します。

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