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元気が出る吹奏楽の音楽会

投稿日:2023年10月14日 10:30

 今週は日本屈指の吹奏楽団、シエナ・ウインド・オーケストラをお迎えして元気いっぱいの吹奏楽曲をお届けしました。吹奏楽ファンならずとも、耳なじみのある曲ばかりだったのではないでしょうか。
 指揮は田中祐子さん。オーケストラの指揮者として活躍する田中さんが、吹奏楽の特徴として挙げていたのが、打楽器と管楽器を主とする編成、そして華やかさと瞬発力。オーケストラでは指揮者の前に大人数の弦楽器が並び、その後方に管楽器や打楽器が加わりますが、吹奏楽では管楽器と打楽器が中心となります。弦楽器は例外的にコントラバスが入るのみ。響きの質感はオーケストラとはずいぶん異なります。
 一曲目に演奏されたのは「アフリカン・シンフォニー」。もともとはヴァン・マッコイによるソウル・ミュージックですが、高校野球の応援曲に使われることも多く、おもに吹奏楽を通じて人々に親しまれている楽曲だと思います。岩井直溥による編曲は、輝かしくエネルギッシュ。ホルンの雄叫びが熱いですよね。
 2曲目の「エル・クンバンチェロ」も岩井直溥による編曲で、こちらも高校野球で人気の高い曲です。冒頭の「エル・クンバンチェロ」の発声が印象的です。原曲はプエルトリコのラファエル・エルナンデスがカーニバルのために書いた曲なのだとか。人々がお祭りで浮かれ騒ぐ様子を描いただけあって、とことん楽しくパワフルな曲です。ピッコロやフルートのソロもカッコよかったですよね。
 最後に演奏されたのは東海林修作曲の「ディスコ・キッド」。こちらはアレンジではなく、吹奏楽のために書かれたオリジナル曲です。ディスコブームを反映して、1977年、全日本吹奏楽コンクールの課題曲として作曲されました。コンクールからこれだけの人気曲が誕生したことに、あらためて驚かずにはいられません。「ディスコ!」のかけ声も入り、客席も大いに盛り上がりました。

飯尾洋一(音楽ジャーナリスト)

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