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有名作曲家のひねりすぎた楽曲を楽しむ休日

投稿日:2019年11月23日 10:30

今週は作曲家たちがとびきり独創的な工夫を凝らした楽曲をご紹介いたしました。
 ハイドンの交響曲第45番「告別」は演奏される機会の多い人気曲です。ゲストの作曲家川島素晴さんが解説されたように、これは一種の「ストライキ」。長期出張中の楽員たちが家族のもとに帰りたがっていることを雇い主である侯爵に伝えるために、ハイドンは曲の終楽章にひとりひとり退出する仕掛けを作りました。ちなみに、このメッセージは正しく侯爵に伝わり、すぐに楽員たちには休暇が与えられたそうです。ホワイトな職場でよかったですね。
 アンディ・アキホのピンポン交響曲「リコシェ」は2015年に作曲されたばかりの作品。作曲者は1979年、アメリカ生まれ。以前、スティーヴ・ライヒが来日した際のトーク・セッションで、注目すべき若手作曲家として彼の名前を挙げたことがありました。そのライヒの古典的名曲が「クラッピング・ミュージック」。今回は拍手ロボット「ビッグクラッピー」が演奏してくれました。リズムのおもしろさという点で、ライヒとアキホの両作には一脈通じるところがあります。
 バッハの「逆行カノン」は、「音楽の捧げもの」と題された曲集のなかの一曲。バッハがフリードリヒ大王に面会した際、大王から与えられたテーマに基づいて作られたという曲集です。「逆行カノン」でもその大王のテーマが題材となっています。バッハの作曲技法にもびっくりですが、テーマをさらっとバッハに与える大王も相当な音楽的教養の持ち主なんですよね。
 ジョン・ケージの「Organ²/ASLSP」は怪作です。ASAP(As Soon As Possible)ならぬASLSP(As SLow aS Possible)。理論上は無限に遅く演奏できることになります。それにしても演奏に何百年もかかるとは。いったいだれが聴くんでしょうね……。

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