今週は先週に引き続きまして、佐治薫子さんが音楽監督を務める千葉県少年少女オーケストラの演奏をお届けいたしました。情熱とバイタリティにあふれる佐治さん。とても83歳には見えません。
佐治さんは小学校を定年退職してから、千葉県少年少女オーケストラの音楽監督に就任しました。それで、あのハイレベルなオーケストラを育て上げたというのですから、驚かずにはいられません。
佐治さんが挙げていた3つのポイントは、「よい演奏はしつけから」「できても練習」「仲間と一体になる」。音楽監督である以前に、まず教育者であることがよくわかります。オーケストラのメンバー全員で「ラ」の音を声で発してから、楽器のチューニングに取り組むというアイディアはおもしろかったですよね。これは明日からでもまねできそうな練習法です。
今回演奏されたのはすべて伊福部昭の作品でした。伊福部昭といえば、だれもが知るのが「ゴジラ」のテーマ。現在映画館で公開中のハリウッド版ゴジラ「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」のなかでも、伊福部昭の音楽が使用されています。
「日本組曲」を書いた当時、伊福部昭は北海道帝国大学(後の北海道大学)農学部に在籍する19歳の若者でした。原曲はピアノ曲です。今回お聴きいただいたのは、後年、オーケストラ用に編曲したバージョンです。
北海道生まれの伊福部昭は、よく土俗的な作曲家だと言われます。「日本組曲」の「盆踊」「七夕」「佞武多(ねぶた)」では、作曲者が過ごした北海道や旅で訪れた青森の風習が題材となっています。また、「シンフォニア・タプカーラ」は、少年時代に触れたアイヌの文化に触発された作品です。
土地に根ざした伊福部昭の音楽が、遠く離れた千葉県の少年少女たちによって演奏される。名曲とはこうして受け継がれてゆくものなんでしょうね。
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83歳の指導者と少年少女オーケストラの音楽会
投稿日:2019年06月15日 10:30
コメント
佐治薫子さんの指導の仕方、素晴らしいと思いました。