今週はヴァイオリンの川久保賜紀さん、チェロの遠藤真理さん、ピアノの三浦友理枝さんをゲストにお招きしました。それぞれソロやオーケストラで活躍するみなさんですが、その合間を縫ってトリオを組んで、まもなく10周年を迎えます。音楽祭などでソリストが集まった際に臨時のトリオを組むことはよくありますが、このように10年間にわたって続くトリオは決して多くありません。多忙であっても続けられるのは、やはりお互いの相性の良さがあってこそなのでしょう。
3人の共通点は、音楽家ではなく、一般家庭の出身であること。クラシック音楽の世界には、音楽一家に生まれたという方がとても多いように思います。これはバッハやモーツァルトの時代から現代まで変わらない点ですが、どうしても早期教育が求められますので、本人の意思というよりは親の意向で第一歩がスタートします。教育環境や人と人のつながりという面でも、音楽家の家庭に生まれた子が恵まれているのはたしか。しかし、一方で両親ともまったく音楽の世界に縁がなくとも、一流の音楽家へと育っていく例もたくさんあります。遠藤さんが「見知らぬおばあさんから褒められた」ことがプロを目指すきっかけになったとおっしゃっていたように、思わぬ出来事が背中を押してくれることも。人の運命はわからないものです。
「トリオ」とは広く3人のグループを指す言葉ですが、クラシック音楽では今回のような通称「ピアノ・トリオ」と呼ばれる編成、つまりピアノ、ヴァイオリン、チェロの3人の組合せが一般的です。ブラームスのハンガリー舞曲第6番とラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」を演奏していただきました。ラヴェルの作品の原曲はピアノ曲。作曲者自身によりオーケストラ用にも編曲されています。今回の山田武彦さん編曲のトリオ・バージョンでは、トリオならではの豊かな色彩感と透明感をお楽しみいただけたのではないでしょうか。
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才色兼備の女性トリオと楽しむ休日
投稿日:2018年12月08日 10:30
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