小川彩佳-番組公式ブログ

夢追い人の夢を追う
2015年09月22日

親友から、昨日こんなメールが届きました。

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Nくんが映画のコンペに参加していて、
最後がWeb投票なんだって!
応援してあげよ!
「http://・・・」
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Nくんとは親友とも共通の、中学高校時代の同級生。
授業で彼が行ったユニークな課題発表が
今でも当時の驚きと一緒に思い出に刻まれているくらい、
(自分が何を発表したかはさっぱり憶えていない・・・)
当時から群を抜いてクリエイティブで、際立った感性の持ち主でした。
そうした部分を生かして、広告代理店で現在活躍しているNくんが、
仕事の傍ら、短編映画を撮影するために映画財団のコンペティションに参加し、
最終選考の一般投票まで残っているとのこと。
投票を呼びかけるメールだったんです。

貼り付けてあったURLをクリック。
どんな映画を撮ろうとしているのかと覗いてみると・・・

写真1

タイトルは、『そうして私たちはプールに金魚を、』。
掲載されている企画書を読むと、比較的最近の、記憶の扉が開きました。

2013年に、実際にあった事件が題材。
女子中学生4人が、夏祭りの夜に、
400匹の金魚をプールに放ち、一緒に泳いだ、という話です。
「プールで泳ぐ金魚はきれいなんだろうなと思ったから」
というのが、4人が語った動機でした。

どうして彼女たちは、金魚をプールに放ったのか。
思春期独特の空気感、舞台となった場所の土地柄・・・
自身の考察とともに掘り下げた彼女たちの心情を、
「きれいだと思った」というその言葉の裏側を描きたいんだと、
Nくんの企画書にはありました。

もちろん、同級生から映画監督が誕生したら嬉しいな、という気持ちがまず前面にありますが、
それだけではなく、強い共感と「やられた感」とともに、
投票ボタンを、ぽち。

ただただ、女の子たちは、
動機として語った言葉以上でもそれ以下でもない、
軽い思い、いわゆる「ノリ」で行動に移っただけなのかもしれません。
それにもちろん、建造物侵入と器物損壊は犯罪です。
塩素だって、金魚によくない。
でも、「夏祭り」「金魚」「プール」「夏の夜」「女子中学生」「泳ぐ」・・・。
キーワードが何とも言えず心をくすぐるニュースだったことは確か。
当時スタッフ間でも話題にのぼって、
番組でも、放送したような・・・あれ?時間が無くなって放送できなかったんだったかな?
とにかく印象的で、よく覚えているんです、この事件。
Nくんがいうように、「掘り下げ甲斐」のある出来事だったなぁ。

今はインターネットにどこにいてもすぐに接続でき、
誰かが出した何かしらの「答え」にいとも簡単に辿り着ける時代。
便利ですし、なんでもそこで満足してしまいがちですが、
アナログにとことん考え抜いて、
自分の中から答えを捻り出すプロセスに意味があることも、ありますよね。
たとえば、人間関係だって。
誰かのことをうまく理解できないとき、
どうしてこのひとはこんな言動をとるのだろう?と、
その背景や底にある感情をあれこれ想像して初めて、
やっと分かり合えたり、ちょっと優しくなれたり。
感じたり、考えたりすることで、「機微」に触れ、初めて、
物事が平面から立体になって、構造や本質がわかるような。

言ってみればニュース番組が日々発信するのは、
まさに「人の機微」が織りなす事象たち、なんですよね。
そこに触れようとする作業がちゃんとできているかな・・・と、
Nくんの取り組みに、ハッとさせられる気さえしました。

さて。結果は・・・

僅差でみごと、グランプリです。
やったね!!

最近、年齢的にも落ち着いてきたからか、
学生時代の友人と再び集まることが多くなりました。
仕事について語れることもちょっとずつだけれど増えてきて、
でもまだまだ青臭くいたくて。
同級生の頑張りに、刺激を受けること多々あり、な年頃です。

Nくんの夢がどんな形になるのか、とてもワクワクしています。

そんな風に同級生の夢を一緒に追ってみた次の日の朝、
私が必死に追ったのは、
電車でした。

青いな。
遅刻しなくてよかった。脚パンパン。

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