小川彩佳-番組公式ブログ

夏の贈り物
2014年08月15日

今日、家から最寄駅までの道すがら、
建物と建物の間に窮屈そうに植えられた
二階部分の途中あたりまで伸びた木を
ぽけーっと見上げている6歳くらいの男の子に遭遇。
白いTシャツに短パンに、坊主頭。
都会の一角に、ザ・昭和の夏休み。
「ねぇ、何してるの?」
思わず、声をかけてしまいました。

男の子は間髪を入れず、嬉しそうに教えてくれます。
「セミ!」
「セミ?」
「うん、おっきいセミがいるの」

大きな蝉を見つけて、眺めていたそう。
確かに、一緒に見上げて耳を澄ますと、
1週間という地上での僅かな生涯を謳歌するように、
高らかに鳴き声を響かせています。

「え、どこどこ?」
「そこ!」
「どこ?どのへん?」
「そこー」
「2本目の枝?」
「違う、もっと上」
「上?」
「うん、上のほうのはしっこにいるの」

まったく見つからない・・・。
指をさす男の子と、必死に目で追う私。

「ごめん、どこだろ全然分かんない」
「・・・あっ!」
「おっ?」
「・・・・・・いなくなっちゃった・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」

気まずい静寂の中、ふたり何気なく目を合わせると、
「ばいばい」
結局、蝉を見つけることができなかった私に、
憐みとも取れる何ともいえない表情を浮かべて
手を振ってくる男の子に、
「ばいばい」
ぎこちなく手を振りかえして、お別れしました。

彼と同じくらいの年齢だったら、見つけられたのかな。
子どものころには見えていたものが、
大人になったら見えなくなっていた。
あげたらきりがないくらい、そういったものって
いっぱいありますよね。

それこそ、動物たちや虫たちには、
どこか心を通わせいたのではないかと思うくらい、
何の先入観もなく触れることができていたような気がします。
あの男の子と同じくらいの歳の時、大好きだったな。ミミズ。
初めてミミズを見たときのこと、まだ覚えてる。
「レースみたいなきれいな模様だなぁ。天使の落しものかなぁ」と、
それはそれは興奮して触りまくって指が痒くなってびっくりしたんだった・・・。
男の子と蝉を探していたら、そんなことを思い出しました。

もう今更戻せないくらいに、姿かたちも感性も大人になり果ててしまいましたが、
昭和な少年に足を止めてしまった私は、
時に童心にかえることができる機会をどこか、探していたのかもしれません。

お祭りや、じりじり太陽や、キーンと冷えた麦茶や、きらきら煌めく水面や・・・。
夏はとりわけ、大人の子ども心を刺激するときめきに溢れている季節。
そんな夏だからこその高揚感にも、敏感に反応したいですね。

というわけで昨日は青山アナとかき氷を食べに行ってきましたよ。
さわやかなイチゴの甘酸っぱさと、ほろ苦いきなこの風味に、胸がきゅんきゅんしました。

1-2

20代最後の夏を、堪能しております。

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