小川彩佳-番組公式ブログ

特別な夜のできごと
2014年05月20日

以前、偶然や直感が、何かの必然だったりして・・・というお話をしたことがありますが。

先週、実家に1人きりの夜、
突然思い立って、愛犬ロビンをお風呂に入れました。
ここのところ足腰も動かず食べ物も口にしなくなり、
ほとんど寝たきりですっかり弱っていましたし、
お風呂に入れるとエネルギーを使って疲れてしまうかなと遠慮していたのですが、
なんだか無性に、今洗ってあげなくちゃ・・・って、思ったんですよね。

久しぶりに抱き上げたロビンのあまりの軽さに、涙がこみ上げました。
ゆっくりと温いシャワーをかけてあげると、気持ちよさそうに目を閉じます。
あんなにお風呂嫌いでいつもは「早く終われ、早く終われ」と顔に書いてあるようだったのに、
その日はただただ静かに、身を委ねてくれました。

乾かしてあげた後、しばらく抱っこしたまま
いろんな話をしました。
ロビンが17年前、おうちに来たばかりのことから、いろいろ思い出して。

写真1

やんちゃで家じゅうの本の表紙を齧って台無しにしてたなぁとか、
ルーズソックスが大好きで(笑)制服姿で友人が遊びに来ると狂喜乱舞してたよなぁとか。
人懐っこさや従順さといった、いわゆる犬らしい可愛らしさは皆無・・・だったけれど、
酸っぱいもの以外はなんでも食べたし、
食べ過ぎで足を悪くした以外はお医者さんにかかったこともなく、無病息災。
変顔や、マイペース過ぎる謎の行動に、どれだけ笑顔を運んでもらったことか。

窓の外には、夜の帳が音もなく広がっていました。
ロビンとくっついて過ごすのは、久しぶりのことでした。

その2日後。
ロビンは母の腕の中で、
静かに息を引き取りました。

今にも目を覚ましそうな穏やかな顔で、
永遠の眠りについたロビンを囲んで家族で思い出話をしていると、
不謹慎だけれどいつの間にか、笑いがこぼれていました。
思えば、ロビンの一挙手一投足にいつも笑わせてもらってた。
変なやつだったな。

ロビンがいた17年間、ほんとに楽しかった。
改めて、ありがとう。そんな思いで、
お庭に家族で紫陽花を植えました。

写真2

温かなピンクの花びらが笑っているみたい。
ロビンは幸せだったかな。

さて。偶然と必然の話。
お風呂に入れた後にロビンを抱っこしながら体を拭いていた時、
突然ぎゅーっと伸びをしたロビンが、
今まで聞いたことのないような声で唸ったんです。
甘えたような、ちょっぴり切ないような声。
息を大きく吐くように、ここ最近で一番の大きな声で。

その時は、なんだろう・・・と不思議な気持ちに包まれたんですが、
あれは、お別れの挨拶だったのかなって
今振り返って感じています。
どんな思いを漏らしていたのかはわからないけれど、
何かを私に伝えようとしてくれていたのかなぁと。

「洗ってあげなきゃ」と思い立ったのは、
ただの気まぐれなのかもしれないけれど、
あの日のできごとが、
神様とロビンと私の、なにかの「必然」だったらいいなぁ・・・と
思うのです。

ね。ロビンちゃん。

写真3

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