先週、人生でこれ以上はないだろうというくらいに舌の先を噛んでしまいました。
人生で最悪の口内炎を経験しています。
サ行を綺麗に出そうとするたびに血が出ます。悶絶します。
そんな舌先ぽっちで、と思われるかもしれませんが、
激しく沁みるため、大好きな酸っぱいものが食べられない苦しみに、
ここ2、3日はへこみっぱなしです。
そんなことはさておき。
先週末、日本を代表するフラメンコダンサーたちが競演するイベントがあるということで、
フラメンコを観にいってきました。
以前このブログにも書いた画家の堀越千秋さんが主催者のおひとりで、
お誘いいただいたんです。
ひとりでプラッと行ってきたんですが、たまたま隣の席に、
同じように一人で来ていたテレビ東京の白石小百合アナウンサーが。
2人でうっとり、観賞しました。
フラメンコといえば、あの独特のステップ。
「足取り」ひとつで舞台の上をエネルギーが渦を巻きながら充満する、
踊り手の表現したいものが空気を一気に染め上げていく。
すさまじいパワーが視覚に聴覚に訴える、まさに「足取りで魅せる踊り」です。
フラメンコを習おうと思ったことがあるという、白石アナ。
でも、今じゃないなと思ったそう。
「もう少し、女性としていろいろ経験して成長してからじゃないと、踊れないなって」
もともとフラメンコの起源は、アンダルシア地方に住んだジプシーにあるといわれています。
迫害され貧しい生活を強いられたジプシーたちが、怒りや悲哀、
また歯を食いしばって生きる喜びを形にしたのが、フラメンコなんだそうです。
苦悶や快楽を心のままに現す顔の表情。
リズムをとりながら足で床を打ちつける音。
ひとつひとつが物語を、激情を携えています。
だからこそ魅惑的なフラメンコ。
逆にいうと、
「ほとばしるほどの感情を『持っているか』どうかが全て」
なんですよね。
それは、どんな表現者にも言えることではあります。
画家だって、歌手だって、アナウンサーだってそう。
でも、フラメンコは特に「芸術は爆発だ!」という要素が強い気がします。
「足取り」には、歩き方や歩調、という意味のほかに、
足跡、辿ってきた道、という意味もあります。
技巧うんぬんよりも、いかに発散させる、爆発させる中身があるかどうか。
「その人自身」を如実に魅せる踊りだと、舞台を見ながら感じました。
私の中から、今ほとばしらせることができる感情って、なんだろう・・・
口内炎で食欲が満たされないことへの怒り、かなぁ・・・。
自分のちっちゃさにびっくりしました。
私にはフラメンコは、100年早いみたいです。