東京は木枯らし一号が吹き、寒さが一気に増しました。
出勤中思わず自販機の前で足を止め、
温かい飲み物を購入。・・・と、かすかな違和感。
どうしてなのか・・・
じーっと自販機とにらめっこしていると、気づきました。
そうなんです。
あれがないんです。
「~」が、ないんです。
「あたたか~い」じゃなくて、「あたたかい」・・・。
アイツがいないだけで、何かが違う。
失って初めてわかるその大きさ。
いつも喧嘩ばかりしてた幼馴染の女の子が転校しちゃった後の教室で
黄昏る中学生男子。という感じのぽっかり感。
そもそも、どうして「~」が入っているんだろう?
ちょっと気になって調べてみると、どうも自販機の表示には
一律の規定などはなく、持ち主が自由に決められるみたいなんですが、
やはり「あたたか~い」「つめた~い」のほうが、
よりその温かさ、冷たさを実感できるという考えから
「~」を入れているところが多いようなんです。
確かに、「あたたかい」「つめたい」という表示には、
ちょっとしたどっしり感、緊張感、質実さが漂います。
そりゃもう、北大路欣也さん風のどっしり感。
いっぽう、「あたたか~い」「つめた~い」は、
ふわふわと柔らかい空気をまとっているようですよね。
こちらは・・・能年玲奈さん、でしょうか。
挟む記号ひとつで印象が変わるのって、不思議ですね。
その言葉を発している人まで浮かんできてしまうような威力を、
いち記号は持っています。
SNSの出現で、以前にも増して
対面や電話じゃなく活字でやり取りすることが増えていますが、
ちょっとした工夫でニュアンスを伝えようとするサービス精神は、
こうした商売のみならず、必要だなぁなんてことも、改めて感じます。
ちなみに昔の自販機には、
「あたたかいお飲物」
と表示しているものもあったそう。
壇蜜さん?